水泡少女とヒーロー３４ ページ35
「おはよう、諸君。」
翌日の朝5時30分。体操服に着替えた私達は、宿泊施設の前に集合していた。正直、物凄く眠い。
相澤「本日から本格的に強化合宿を始める。今合宿の目的は全員の強化及び、それによる”仮免”の取得。具体的になりつつある敵意に立ち向かうための準備だ。心して臨むように。というわけで爆豪、こいつを投げてみろ。」
そう言いながら、相澤先生は爆豪くんに、体力テストの時に使用したボールを投げ渡した。
「前回の入学直後の記録は705.2m…。どんだけ伸びてるかな。」
「おお！成長具合か！」
「この三ヶ月いろいろ濃かったからな！1kmとかいくんじゃねえの！？」
「いったれ、バクゴー！」
爆豪くんは、右腕をブンブンと回しながら歩き、ボールを構えていた。
「んじゃ、よっこら…くたばれ！！！」
爆豪くんは、体力テストの時のように、ボールを個性を使いながら投げ飛ばし、瞬く間にボールは見えなくなった。だが、先生が持っている端末に表示された数字は『709.6m』となっており、大して距離は伸びていなかった。
「約三ヶ月間、様々な経験を経て、たしかに君たちは成長している。だが、それはあくまでも精神面や技術面。あとは多少の体力的な成長がメインで、個性そのものは今見たとおりでそこまで成長していない。だから今日から、君らの“個性”を伸ばす。死ぬほどキツイが、くれぐれも死なないように…。」
ほんっとにキツイ
私の訓練は、水を生み出す、脱水症状のギリギリまで…そして、泡の強度をあげるその後にペットボトル一本分の水を飲むその繰り返し…
りん(いや、死ぬが私)
「──なんだこの地獄絵図……！！」
A組が特訓を始め、しばらく経ってから到着したB組の誰かが、私達の様子を見て、思わずこぼした一言である。正直、本当に『地獄』と言っても過言ではないと思う。
相澤先生曰く、許容上限のある発動型は上限の底上げ、異形型、その他複合型は個性に由来する器官・部位のさらなる鍛錬。通常なら肉体の成長に合わせて行うらしい。
「さァ昨日言ったね『世話焼くのは今日だけ』って！」
「己で食う飯くらい己で作れ！！カレー！！」
「「イエッサ…。」」
「アハハハハ、全員全身ブッチブチ！だからって雑なネコマンマは作っちゃダメね！」
疲れ切った返事をするがお構いナシ
「確かに。災害時など、避難先で消耗した人の腹と心を満たすのも救助の一環……。さすが雄英ムダがない!世界一旨いカレーを作ろう、皆！！」
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作者名：KARMA | 作成日時：2024年1月8日 22時
