水泡少女とヒーロー (ページ15)

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水泡少女とヒーロー１４ページ15

「くっそ！！！いいとこねー！」
「スカしてんじゃねえぞ、モヤモブが！！」
「平和の象徴は、てめェら如きに殺れねえよ。」
「かっちゃん…！皆…！！」

彼らが喋っている間に、オールマイトは脳無の腕から脱出し、爆豪くん、轟くん、切島くん、緑谷くん4人と共に、死柄木の前に立ち塞がった。

りん「オールマイト、天使の雫!」
オールマイト「ありがとう、水宮少女」
死柄木は大して困っていないような声色で、「ピンチだな」と言い、爆豪くんは黒霧の個性の仕組みを言い当てた。

「ぬぅっ…。」
「っと、動くな！！『怪しい動きをした』と俺が判断したらすぐ爆破する！！」
「ヒーローらしからぬ言動…。」

死柄木「脳無、爆発小僧をやっつけろ。出入口の奪還だ。」
「「！！！」」

死柄木が脳無に指示を出すと、半身凍っていた脳無は、凍っていた部分を壊しながら立ち上がった。死柄木は自慢げに「オールマイト用に改造された、『サンドバッグ人間』だ」と告げると、脳無は崩れていた部分は瞬く間に回復し、拳を握りながら爆豪くんに駆け寄っていき、土煙が上がった。

緑谷「かっちゃん！！！…かっちゃん！！？避、避けたの！？すごい…！」
爆豪「違えよ、黙れカス。」

煙が晴れると、そこには腕を十字に組んでいるオールマイトが立っていて、左腕がアザになり、血の混じった咳をしていた。

オールマイト「…………加減を知らんのか…。」
りん(水は戻ってない、攻撃を防いだからか？)
死柄木「仲間を救けるためさ、しかたないだろ？さっきだってホラそこの……、あー……………、地味なやつ。あいつが俺に思いっきり殴りかかろうとしたぜ？他が為に振るう暴力は美談になるんだ、そうだろ？ヒーロー？」

死柄木が、緑谷くんを指差しながら言った。

死柄木「俺はなオールマイト！怒ってるんだ！同じ暴力がヒーローと敵でカテゴライズされ、善し悪しが決まるこの世の中に！！何が平和の象徴！！所詮、抑圧の為の暴力装置だおまえは！暴力は暴力しか生まないのだと、おまえを殺すことで世に知らしめるのさ！」
オールマイト「めちゃくちゃだな。そういう思想犯の眼は静かに燃ゆるもの。自分が楽しみたいだけだろ嘘吐きめ。」
死柄木弔「バレるの、早……。」

死柄木は、演説のように長々と話したが、オールマイトに『嘘だ』と早々に見破られた。だが、悪びれる様子はなく、ニタリと笑っていた。