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同情、してくれるの?  ページ40

「はじめまして!私は、立花 彩です!
君はまもる君だよね?」



部屋は電気が付けられておらず、暗かった。

そして、部屋の隅にモゾモゾと動く丸い何かが見える。



どうやら、ベッドの布団を頭にまで被せて、横になってるみたい。





そう……これは拒絶だ。


赤の他人が突然押しかけてきたから、当然の反応である。




「ねえ、少しだけ、世間話をしてもいい?」

そう聞いたけれど、返事は返ってこなかった。



私は、彼に近すぎない程度の距離で、床に座る。



「無言の肯定として受け取るね!

私さ、訳あって、すっごく仲が良かったはずの仲間と絶縁したの。ううん、絶縁された、かな。

辛くて、悲しくて、どうしようもないくらい、心が泣き叫んだ。


だって、ずっと仲間でいられると信じて疑わなかったから。
どんなものにも永遠はないと知っていたけれど、まだこの関係を続けられると思ってた。

でも……そもそも、仲間としての友情こそが偽物だった。」




そこまで言い、一息つくと、低い声が聞こえた。

「なんだ?それで同情でもかき立てるつもりか?」


その声は黒く、濁っているようだ。



「同情、してくれるの?」


「しねぇよ。」



思わず聞いた言葉が即答で返ってきたものだから、私は少し笑ってしまった。


「そっか。でも、どっちみち、同情はいらないかな。
私が言いたいことはそうじゃないもの。」



まもる君は布団から顔を出し、起き上がる。

その瞳はしっかりと私を見つめていた。



「何が言いたい。」


「聞いてくれるの?優しいね。


さっきの話の続きなんだけど、確かに私は理不尽な理由で絶縁された。
でも、仲間全員が絶縁したわけじゃなかった。

どういうことか、分かる?」




彼の瞳を見つめ返すと、彼は怪訝そうに首を傾げる。


分からない?答えはね……。

「私を信じてくれる人がいたの。」




「信じてくれる人?」


うん、そう。

「どう考えても、私が不利な状況にいた。でも、それでも、今までの私を見て、信じてくれる人がいた。」




この喜び、分かる?


私は立ち上がり、部屋の電気をつけ、彼の元まで歩いた。

「あなたも同じ。あなたを信じている人がいる。
一方的な勘違いは厳禁だよ。」



にっこり笑うと、彼は少し赤くなり、少し慌てた様子で言う。

「お、れには、いない。そんなやつ、いるわけない。」



ううん、いるよ。

「もう少しだけ、話をさせて。」



私は真実を知っているから。

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あき@草売り大魔王(プロフ) - りんご🍎さん» コメントありがとうございますー!!!忍のかっこよさが伝わってくれて嬉しいです!!! (2022年11月26日 23時) (レス) id: e269879e16 (このIDを非表示/違反報告)
りんご🍎 - 忍かっこよすぎる最高! (2022年11月23日 14時) (レス) @page5 id: db8ce53dbc (このIDを非表示/違反報告)
あき@草売り大魔王(プロフ) - クッキーベルさん» いやいやいやいや、リメイクしても酷いわ() でも、頑張るぞい!(笑) (2020年5月13日 22時) (レス) id: 8824d19027 (このIDを非表示/違反報告)
クッキーベル(プロフ) - 本当に素晴らしい作品だよ! リメイクしないでもすごいのに…! リメイクも頑張ってね! あきふぁいとー! (2020年5月13日 22時) (レス) id: 456e770b4f (このIDを非表示/違反報告)
あき@草売り大魔王(プロフ) - シロンさん» ありがとうございます!!早速、明日か明後日あたりに更新したいと思います!! (2019年12月20日 17時) (レス) id: 8824d19027 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あき@草売り大魔王 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp  
作成日時:2019年8月14日 23時

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