本当の仲間は知っている

罪悪感　 ページ31

この状況において、美門さんは冷静に言う。

「それなら、解決した証拠を見せて。」





もう少し乱れてくれたって良いのに。



でも、内心は慌てているに違いない。

私には美門さんの額から流れる汗が見えていた。




「忍、お願い。」

そう言うと、忍は頷き、さっき撮ったほのみとの写真を見せる。




顔を見渡すと、難しい顔をしている者ばかり。


黒木さん以外の他の皆は納得していないようだ。




「これのどこが証拠だよ。」

冷ややかに睨む上杉さんだが、私にはもう何の感情も抱かせないただの視線だった。




「黒木さんなら分かるんじゃない？」

そう言うと、黒木さんは黙って、視線を逸らしたんだ。




はぁ、面倒だなぁ。



私は菜穂に視線を向けた。



菜穂は頷き、明るい声を出す。

「じゃあ、私が細かいところを説明しようかな。」





ありがとう、菜穂。

視線だけで気付いてくれるなんて流石だよね。




「この彩と一緒に写っている女の子は、今回の被害者、鳥島 ほのみ。
　ついさっき、彩が接触したの。


　被害者は、学校でいじめられていた。

　それが原因で、学校に行けなかったんだ。」





いじめという言葉に黒沢さんがピクッと反応する。





……いじめと言えば黒沢さん以外居ないよね？




自分の罪を思い知って。





あなたも起こしたいじめの話。



あなたには反省という二文字があるかな？






私だって、本当は不登校になりたかったんだよ。




でも、家族に心配かけられなくて、苦しみながら行った。


その時はまだ、KZも居たしね。







なのに、あなたはKZさえも奪ったんだ。


私の学校生活を奪い、生きがいも。




あなたに何の価値があるんだろう。





なんで生きているの？


人の居場所を奪うような罪人のくせに。




私の方がよっぽど生きている価値がある。


人を救う力がある。




黒沢さんってなんでこの世に生まれてきたんだろう。






でも……それを言ったらKZもそうだね。


正義(わたし)を裏切り、不義(黒沢さん)を信じた。





所詮、あなたたちの中では、私の存在なんてそんなものだったんでしょ。



散々、探偵ごっこに付き合わせといて、それはないんじゃない？







言っても減らないこの嫌悪感。







どこかでふと思った。

私の心は腐ってしまったのでしょうか。

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