本当の仲間は知っている

証拠 ページ18

「分かったよ、認める。」



そういうと、KZ全員が同時に口角をあげる。


「ただし、私がカンニングしたっていう証拠あるならね。

　秀明のテスト、全教科トップ3を取った人は、いじめなんてしないんでしょう？

　

　まさか、私がカンニングしたなんて言う人はいないと思うけど。

　だって、あれが実力というのは事実だから。」



途端にKZが険しい顔をした。

無性に気持ちが良くなったんだ。



なんだろう、この爽快感。



「ちなみに、浜田の方のテストでも、全教科50位以内だったから。」


そこまで言うと、若武さんは顔を青くする。

「嘘……だろ！？」



KZは私と同じ学校である美門さんに目をやった。

本当なのか、そう問うように。




苦しそうな顔をして頷く美門さん。


まあ、事実だものね。


「まあ、浜田のテストでも、カンニングしたって言うなら、証拠を探すだけ。
　簡単でしょ？」






KZは沈黙して、こちらをただ睨む。




そういえば……探偵対決の話、今しようかな。


呑気なことだけど、ふと思い出したんだ。




ここで会ったも何かの縁！

今言えといわれてるようなものだよね！




私は菜穂に視線を当て、耳にコソッと囁いた。

「探偵対決の話、してくれないかな？」



菜穂は私にウインクで合図する。

「もちろん、OK！」



ありがとっ！


菜穂は若武さんたちの前に立ち、華麗に話し始めた。



「若武君たちって、探偵チームKZをやってるでしょ？

　私たちも、探偵チームフレンドを最近始めたの。


　それで、探偵チーム対決をやってみたいなって。
　どちらが上か気にならない？

　
　黒沢さんは、その様子だと、KZに入っているみたいだね。


　事件はこっちで決めてるからどう？
　やってみない？リーダーの若武君？」



ここで大事なのは、若武さんを褒める言葉を入れること。


さっきの場合は、リーダーという単語に当たる。




流石菜穂、若武さんの扱い方上手！


若武さんの性格を軽く話したんだけど、まさかここまで上手く話を持っていてくれるとは思わなかったよ。




浜田の女子のグループリーダーなだけあるっ！


きっと、すぐ乗ってくるだろう。




予想の如く、若武さんは立ち上がったまま、ガッツポーズをしたんだ。

「よし！探偵対決、やろうではないか！」



ほらね、読みやすい行動。






……昔とこうも変わらないと、どこか寂しい気がする。


気のせい、だよね。

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