魚より肉派女子、見参。 (３)

８９話 ドラマ本編END ページ4

坂本さんも戻ってきて、ミコトさんと夕子さんの笑い声が響くオフィス。そんななかやってきた神倉さんがバイト希望を連れてきた。

「よろしくお願いします！」

神倉さんに紹介され、みんなの前で頭を下げるのは見覚えのある青年の姿だった。

「ろく…え？」

「どういう感情だ。」

わけわかめ。表情に出ていたのか「え？」と投げかけた系さんに真顔でつっこまれた。いや、この人基本真顔だったわ。

夕子さんが皮肉っぽく六郎さんを弄ったり、それを笑いながらミコトさんがフォローしたりとなんやかんやありつつも、六郎さんが戻ってきたことが嬉しいのか暖かい空気に包まれた。解剖だ、とそれぞれが戸惑う六郎さんにファイルを押し付けたり声をかけたりしてオフィスを出ていった。その時、系さんのクソは変わりなかったが、続いた坂本さんが「クソ頑張りましょう！」と言っていたのに思いっきり吹いた。

「く、ふふっ…さか、もとさん…ふふっ」

「Aちゃん、(頭)大丈夫？」

「わぁ、すごく失礼なこと言われた気がするー」

ケラケラと笑っていると六郎さんも笑っていたが、それでもなんだか落ち着かない様子だったから「六郎さん！」と名前を呼んだ。ビクッと肩を跳ねさせると、心配しうな顔でこっちを見た。

「…何？」

「…おかえりなさい！」

ニッと笑って言えば、ポカーンとした後、六郎さんも笑った。

「うん…ただいま。」

笑いあっていると、「A！遅い！！」と系さん直々にやってきて連行された。去り際に六郎さんに何かを言っていた気がするがそれは聞こえなかった。

解剖室に皆が集まるのはいつぶりだろうか。ミコトさんも嬉しいのだろう。目を細めて笑っていた。夕子さんも目が合うと、ピースサインを送ってきた。それに小さく返した。

「始めるぞ。」

「はい！」


＿＿＿嵐を乗り越えたUDIは強くなった。

しかし、まだまだ私たちの航海は終わらない。

これから、何が起こるかは分からないが

全力で駆け抜けるだけだ、と思う。


〜END(ドラマ本編)〜

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