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「……っ……ふぁ〜ぁ…」
頬に沿って流れる涙を拭おうと腕を動かし、気づく。
両手両足縛られてるじゃーん…。
そこでやっと誘拐されたことを思い出し、どうしようかと考える。顎に手をやろうとして、縛られてんだったと自分自身にツッコんだ。悲しくなるからやめよう。そういえば、強制的に眠らされたからか頭痛がマシになっている。
「今何時なんだろ…」
もし1日経っているのだとすれば、学校を無断欠席したことになるから先生から連絡が来るはず。それに私がでなければUDIに連絡が行く…はず。うん、先生と中堂さん面識あるもんね。前に倒れた時もUDIに連絡いったみたいだしね。
大丈夫、と根拠の無い自信を持つ。そうでもしないと怖くて泣きそうだ。零れそうになる涙を歯を食いしばって堪えるが、拭うことができないからただ流れ落ちた。すると、一度出てしまえば止めることはできなくなった。誰もいない部屋だけれど、声だけは出してたまるかと必死に声を抑えて泣いた。
暫くして…体感的には1時間半くらいだった頃だろうか。唯一あったドアから1人の男が入ってきた。ドアの脇にスイッチがあったようで、暗かった部屋が明るくなった。眩しい。
「おや、起きたんだね。遊喜Aさん。」
「おかげさまで最悪の目覚めですけどね。なんで名前知ってんですか。」
嫌味ったらしく笑顔で言えば「ははっ、そうかい。」と笑い、私のそばにイスを寄せて座った。やっと目が慣れてきて、よく顔を見ればやはり見た事のある顔。それもそのはず、誘拐犯は今UDIで解剖している遺体の夫…名前は確か“泉田 薫”。
「…それで？なんで私誘拐されてるんです？あんたから恨み買った覚えないですけど。」
「うん。君に恨みはないよ。」
思わず「は？」と聞き返す。だったらなぜ誘拐されなければいけないのか。少し考えれば分かった。
「奥さん殺したの、アンタか。」
「……ふふっ、さぁ？どうだろうね。」
「…まぁいいや。殺したのがあんたかどうかは置いといて、奥さんの死にアンタが関わってんのははっきりしたから。」
あんたについて調べればいいわけね、と言えば不気味に笑いだした。引きながら見ていると、にやりと笑って言った。
「君、まさか解放されると思ってる？」
「…どういうことよ。」
「さぁ…どういうことだろうね。」
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月影(プロフ) - たこさん» ありがとうございます！再更新に向けて頑張ります！ (2018年8月16日 22時) (
レス) id: 23e17ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
たこ - とても楽しく読ませてもらいました！私もアンナチュラル好きだったので、この小説を見つけられてとても嬉しいです！続きがとても気になるので、再更新待ってます！がんばってください！長文失礼しました。 (2018年8月15日 22時) (レス) id: ca9d716e46 (このIDを非表示/違反報告)
月影(プロフ) - はらさん» ご指摘ありがとうございます！！！忘れてしまうので指摘してくれる方がいるのとても嬉しいです！ (2018年5月10日 18時) (レス) id: 831fe892d1 (このIDを非表示/違反報告)
はら - オリジナルフラグ外し忘れていますよー違反行為なのでちゃんと外して下さいねー (2018年5月10日 17時) (レス) id: 9f3c62d37e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トマトご飯 | 作成日時：2018年5月10日 16時
