相対する世界に飛び込んだようだ。 (ページ22)

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2人の口上とポーズ紹介を終え、そのままミスターとスキャターもポーズを披露した。

「では、お次はユオンちゃんのポーズ！」
「私もですか？では皆さん、しっかり覚えてくださいね」

スキャターに促され、この前決めたポーズを効果音に合わせて披露した。そして、ポーズダンスが始まった。徐々にスピードを増していくダンスに若干テンパリながらもやっていると、向かいから歩いてきたジャックが目の前で立ち止まった。

なんだ、と思いながらダンスを続けると、ミスターが「ジャックハート！」と叫んだ。合わせて彼のポーズを取ると、目の前のジャックは嬉しそうに笑い、私の頭を撫でながら通り過ぎて行った。この一連の流れを見ていたゲスト達が「きゃー！！！」と歓声を上げた。驚いたが、表面上は普通にダンスを続け、興奮するゲスト達に肩を竦めて笑いかけた。

恙無く私の初リクルーティングを終え、ホテルに戻る道を歩いているとゲスト達に声を掛けられた。

「ユオンちゃん頑張ってねー！」
「可愛いかったよ～！」
「また見に行くからね！」

そう言った彼女たちに近寄り、真ん中にいた1人の手を取って言った。

「ありがとうございます、お嬢さま方。素敵なハロウィンをお過ごしくださいませ」

そして、パチリとウインクして手を振りながらその場を去った。我ながらキザなことをしたな、と若干恥ずかしくなったし、案の定ジャックとエイトフットに揶揄われた。

その晩、とある呟きがバズったらしい。

「やばい……今日からリクルート参加してるユオンちゃんがべらぼうにイケメンだった……可愛いのにイケメンだった……ファンサもやばい……本当に初めて？？？」
【撮っていることに気づきウインクしながら手を振るユオンの動画】