37話 ページ47
冬休みも終わり、学校が始まった。嫌だねぇ、テストとかテストとかテストとか。そういえば、なうって古いらしいね。早くバイト行きたい。はぁぁぁ…と溜息をついて沈んでいると、頭の上に重みを感じた。
「遊喜ー?」
「何…ですか、涼先生。仕事しなよ。」
「うん、今、仕事中で授業中な。潰すぞ、頭。」
にっこりと笑っているが、目が全くもって笑っていないこの涼先生は生物教師。基本フレンドリーで優しくて人気だが、私への当たりが強い。仲良くなってからこれだよ。クソ。そんな涼先生に、これでもかと顔を顰める。
「うへぇ、嫌です。」
「じゃあ、昼休み生物準備室な。逃げたら課題3倍。」
「きゃー、脅されるー。」
棒読みで言えば、クラスの大半から「自業自得。」「どんまーい。」と声がかけられた。あれ、味方がいない。
そんなこんなで昼休み。本来なら涼先生の手伝いをしていたのだろうが、状況が変わった。周りがスマホを見てざわついていたので、電源を切っていたスマホをつけるとミコトさんからメッセージが来ていた。載っていたURLをタップすると、映し出されたのは殺人実況動画。
「何コレ……」
「おい、遊喜。遅い…ってそれか。」
遅い私を呼びに来たらしい涼先生は、呆然とする私の後ろからスマホを覗き込んだ。
「先生これっててかM先生多分知り合」
「わーったから落ち着け。とりあえず1回来い。」
首根っこを掴まれて生物準備室に連行されると、先生はカタカタとパソコンをいじって同じ実況動画を映し出した。
「んで?これに出てるM先生が知り合い?」
「バイト先の人。」
「ほぉーん。この動画、職員室でも会議中。この高校じゃないけど近くの高校らしい。だから生徒全員早退させるかどうか。」
「マ?」
「マ。だから、」
先生が何かを言おうとした瞬間、校内放送が鳴った。
《えー、皆さんもご存知でしょうから理由は省きます。生徒全員すぐに帰宅するように。》
「ってことだ。M先生が気になんだろ?行ってこい。」
「涼先生神!愛してる!じゃあさようなら!またね!」
「おー。」
教室に戻りリュックを引っ掴むと廊下を駆け抜けた。友達に声をかけられるのも適当にあしらい、電話をかけながら靴を履いた。
『……なんだ。』
「あ、中堂さん!?今どこにいますか!?」
おまけ (涼先生)
「涼先生神!愛してる!じゃあさようなら!またね!」
「おー。」
1人、溜息をついた。
「愛してるとか気軽にいうなよな…」
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とく(プロフ) - 月影さん» もちろんです!続編も頑張ってくださいね!!楽しみです! (2018年3月3日 22時) (レス) id: cfdee12d85 (このIDを非表示/違反報告)
月影(プロフ) - とくさん» コメントありがとうございます!楽しみにして頂けて光栄です!そしてご指摘ありがとうございます!気づかなかった…!速攻で直してきますのでおまちください!これからもよろしくお願いします! (2018年3月3日 22時) (レス) id: 05b42a57e2 (このIDを非表示/違反報告)
とく(プロフ) - 失礼します!とても面白い小説で、いつも楽しみにしています!そこでなんですが、所々、夢主の名前が「玲音」という表記になっていて、少し気になってしまいました...!生意気言ってすみません、更新頑張ってください! (2018年3月3日 10時) (レス) id: cfdee12d85 (このIDを非表示/違反報告)
月影(プロフ) - Ayaさん» コメントありがとうございます。私の中の中堂さんはツンが多めのツンデレだと思ってるので…(笑) (2018年2月12日 23時) (レス) id: 36c16853e4 (このIDを非表示/違反報告)
Aya(プロフ) - 楽しく読ませてもらってます。中堂さんが凄く可愛いです(*´∇`*) (2018年2月12日 22時) (レス) id: b5e437c3d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:トマトご飯 | 作成日時:2018年2月10日 19時