26話 ページ33
ミコトさんが結果からでた考察を警察に伝えに行っている間に、私達はラボで一段落ついていた。珈琲を取りにデスクの前を通ると、開いていたパソコンに何かメールが届いていた。
「……?久部さん、何かメール来てます。」
「え?…青森医大…?!あ、中堂さん!」
目を見開いて驚いた久部さんは、偶然通りかかった中堂さんを呼び止めて手招きする。
「なんだ。」
「これ……青森医大からです。」
画面を見た途端、目を見開いて凝視する中堂さん。映っていたのは肺の写真で、それも、亡くなった果歩さんのものだった。
「これって…果歩さんのですよね。なんでまた……って、あれ?中堂さん?」
写真を見ている間に居なくなっていた中堂さん。何か分かったのかな、なんて呑気に思っていた。しかし、ふと解剖室での中堂さんの言葉を思い出した。
『考えたことがあるか?永遠に答えの出ない問いを、繰り返す人生。今結論を出さなければ、もう二度とこの人物がどうして死んだのか、知ることはできない。今調べなければ、永遠に答えの出ない問いに一生向き合っていかなければならない。そういうやつを1人でも減らすのが法医学の仕事なんじゃないのか。』
ヤバイ。
はっ、とそのことに気づいた瞬間には駆け出していた。久部さんの「どこいくの!?」という叫びにも返事せず。焦る気持ちだけが空回りして、体が追いつかない。画面を操作する指も震えて、なかなか電話をかけられなかった。もし、鈴木さんが事実を知って、尚且つ犯人に心当たりがあったとしたら……早く、早く向かわないと…!
どうか、手遅れになる前に。
394人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
とく(プロフ) - 月影さん» もちろんです!続編も頑張ってくださいね!!楽しみです! (2018年3月3日 22時) (レス) id: cfdee12d85 (このIDを非表示/違反報告)
月影(プロフ) - とくさん» コメントありがとうございます!楽しみにして頂けて光栄です!そしてご指摘ありがとうございます!気づかなかった…!速攻で直してきますのでおまちください!これからもよろしくお願いします! (2018年3月3日 22時) (レス) id: 05b42a57e2 (このIDを非表示/違反報告)
とく(プロフ) - 失礼します!とても面白い小説で、いつも楽しみにしています!そこでなんですが、所々、夢主の名前が「玲音」という表記になっていて、少し気になってしまいました...!生意気言ってすみません、更新頑張ってください! (2018年3月3日 10時) (レス) id: cfdee12d85 (このIDを非表示/違反報告)
月影(プロフ) - Ayaさん» コメントありがとうございます。私の中の中堂さんはツンが多めのツンデレだと思ってるので…(笑) (2018年2月12日 23時) (レス) id: 36c16853e4 (このIDを非表示/違反報告)
Aya(プロフ) - 楽しく読ませてもらってます。中堂さんが凄く可愛いです(*´∇`*) (2018年2月12日 22時) (レス) id: b5e437c3d9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:トマトご飯 | 作成日時:2018年2月10日 19時