5-2 ページ33
.
一夜明けて。
リュウヘイのパンツは無事、全てホカホカに乾いていた。全自動ドラム式洗濯機様々だ。
2人よりも早起きして朝食を済ませた私は、まだ眠気まなこ&寝癖を爆発させたリュウヘイに「先に事務所行ってくるね」と言って96ブラハウスを出た。
一軒家を借りた事務所は、96ブラハウスから歩いて大体40分くらいの所にある。“歩く距離ではない” というのが、私以外のメンバーの総論。
タクシー使うなり電車乗るなりしろよ。と言われていたが、今日はだいぶ時間が早いので歩いてみようと思った。
(意外とあっという間や)
音楽を聴きながら都会の景色を眺めつつ歩いていたら、満足しないうちに事務所の外門までやってきた。インターホンを鳴らすと程なくして “はーい” と、最近はほとんど我々学生組のお世話係になってくれているモモヨさんの声がした。
「おはようございます、Aです」
“おはよ〜、開けるね〜”
スピーカー越しにそう聞こえて外門が解錠される。玄関の目の前に立ってすぐに扉が開いた。
「おはようございます」
「おはよ！歩いてくるって聞いてびっくりしちゃった。迷わなかった？」
「ほとんどまっすぐ道でしたよ、意外と近くて」
「ははっ、近いか。逞しい」
廊下を歩きながら「朝ごはん食べた？」と聞くモモヨさんに首をこくこくと縦に振る。まだ9時にならない時間で、事務所には彼女以外誰もいない。
「……すみません、早くきてもらって」
「えー、いいの！やる事溜まってたからむしろミヅキが来てくれてありがたい」
「へ？」
「この事務所に1人だと寂しいじゃない？」
民家に不釣あいの事務デスクにある椅子に座って、ランチパックを開けながらそんな風に言うモモヨさん。
酔うと日高さんを“ミツヒロくん”と呼び、そして日高さんは普段から“モモちゃん”と言いながら絶大な信頼を寄せる彼女は、私にとってお姉さんみたいな存在になりつつある人だ。
「時間になったら声かけるし、好きなだけやりな〜」
「んぅー、モモヨさん、ありがとうございますっ」
「何その声。かわいいの」
八重歯を見せて茶化すように笑う。なんか恥ずかしくなっちゃって、小走りでスタジオ部屋に飛びこんだ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 178人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
白(プロフ) - ゆきさん» わーっ、嬉しい🥰 特別な立ち位置にいるシュントくんがこれからどんな活躍をするのか…他のメンバーがどのように食い込んでくるのか、楽しみにしていただければと思います。 (2023年4月7日 23時) (
レス) id: 2167f4606f (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - 珠菜さん» まとめて更新するとなかなか早いですね笑 今後はどんどん不定期になっていきそうな予感です…次回もお楽しみに！ (2023年4月7日 23時) (レス) id: 2167f4606f (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 新しく更新してもらえるたびに、テンション上がってしまいます！！更新チェックが最近の毎日の日課にっています(笑)今回のシーズンは改めてシュントの関係が今まで以上に主人公にとって大きいものだなぁと感じてドキドキもしてます (2023年4月7日 12時) (レス) @page50 id: f1ac1c79d7 (このIDを非表示/違反報告)
珠菜(プロフ) - もう続編なんですね！！早い！！リルティングの方とはまた違った楽しみができて嬉しいです🥰次も楽しみにしてます！！ (2023年4月6日 19時) (レス) @page49 id: 93515d92f9 (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - そうまなさん» ありがとうございます！時期的にはまーぜるくん達はまだまだ先になりますが…いずれ😳 リルティングアワーのほうが先に登場するかもです(小声) (2023年4月6日 18時) (レス) id: 2167f4606f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：白 | 作成日時：2023年3月21日 18時
