ミュージックアワー【BE:FIRST】

5-1 新しい仲間 ページ32

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9月23日




コンコンッ



ノック音がして「はぁい」と返事をする。視線をやった明るい茶色の扉が開いて、舜斗が顔を覗かせた。




「おかえり」

「ただいまぁ。舜斗達の方が早かったんだね」

「マナトくん門限あるから」

「…………へぇ？そうなん」




一人暮らしの成人男性にも門限ってあるんだ。ふーん？
話しながら部屋に入ってきた舜斗は、クローゼットに買ったばかりの服を仕舞う私を尻目に、ベッドに遠慮なく腰掛ける。「全部お前が買ったの？」と痛い質問だ。




「……半分以上リョウキくんに買ってもらいました」

「やってんな」




結構全力で断ったのだけれど、今日も今日とて貢がれてしまった。なんでも「俺の趣味に付き合ってくれたお礼！」とのこと。

彼の趣味っていうのは、私を着せ替え人形にする事で。
「妹の服選ぶのとか夢だったんだよねー」って楽しそうだから、強く止められない。

流石に申し訳なくなってリョウキくんに似合っていたキャップを買ったら、飛び跳ねて喜んでくれたので それはそれで良かった。




「飯食ってきたんだよな？」

「うん。……え、2人食べてないん？」

「いやラーメン食ってきた」




対する舜斗達は、東京湾にONE PIECEの“なにか”を見に行ったらしい。
巨大な絵画？実態はよく分からないけど。

ソウタくんもレオくんもジュノンくんもいて、マナトくんの門限に合わせて大人しく返ってきたと思ったら、少し面白い。




「どの辺で買いもんした？」

「渋谷」

「代官山連れてくって言ってなかった？」

「名前からして物価高そうやから遠慮したの」

「なんだそれ」




まあみづが代官山行っても浮くか。と舜斗が笑う。なんやねん、失礼なやつ。

しばらくの間どうでもいいような話をしていると、廊下の方で足音が聞こえてきて、




「おかえりー、」

「ただいまっ」




艶々の濡れ髪に赤い頬をしたリュウヘイが部屋に入ってきた。いい匂いがほのかに香ってくる、風呂上がりだ。




「ねえシュント、俺のシャンプー水で薄めた？」

「するかよ、んな事」

「凄いシャバシャバだったんだけど」

「知らねー。俺じゃねーよ」

「あ、私でもないよ」

「なんでだろう……ボトルが悪いのかな」




てか持ってきたパンツ間違えて全部洗濯機に回しちゃった……。と嘆くリュウヘイ。何してんのこの子、ちょっとずつ不幸で気の毒。




「……りゅうちゃん、アイス一個あげる」

「え？いいの？」

「うん。お星様のマークついてるやつ一個どーぞ」

「ありがとう！」

「え、てことはお前今 履いてないの？」

「言わなくて良くない？それ」




まじで舜斗、一言余計。




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