ミュージックアワー【BE:FIRST】

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BE:FIRSTチームでささやかな打ち上げをして、帰宅したのは21時過ぎ。ちなみに朝リュウヘイがしまい忘れた牛乳は、真っ先に流しに処理した。

そこからお風呂を回しつつ一本だけ映画を見て。

「興奮して眠れない」と昨晩も夜更かしをしたはずの舜斗が言う。そうしたら同じ事をリュウヘイも言い出すので、深夜2時を過ぎた頃、ハチミツを溶かしたホットミルクを3人分作った。

ちなみに私はもう、結構眠い。




「緊張し過ぎて最初全然アイソレ動かなかったわ」

「俺もこんなに声出ないもんかと思った。ミヅキちゃんのアレなかったら最後まで引きずってたかも」

「おー、やるやーん」

「ははっ。なんでそんな他人事なの」




舜斗もリュウヘイも本当は緊張でガチガチだったらしい。
後から聞いた話じゃ リョウキくんとかジュノンくんは私と同じように、飛び出た瞬間から半分意識が吹っ飛んでいたと言うから、同じステージでもエンジンのかかり具合に違いがあるのは面白いなぁと思う。




「つーかみづワンピ読んでる？」

「読んでるよ。今ね、パンクハザードまで来た」

「うおっ！結構進んでるね！」

「せやねん。寝る前にちょっとずつな、毎日読んでる」




クーラーの効いた部屋に、ぶかぶかのTシャツとRalph Lauren Homeのショートパンツ。何とも歪な格好なのは、リョウキくんにセットアップで買ってもらった上着の方が、洗濯中だから。

冷たい風が素肌に直撃して ふと身震いする。
するとすかさず舜斗がエアコンを弱風に変えて、自分の脚を私の太ももの上に投げ出した。……重いけどあったかいんだな、これが。




「なにこれ」

「風除け」




随分乱暴じゃない？でもありがとう。と軽い笑いが漏れる。それを見ていたリュウヘイは、ティースプーンをマグカップの中で回しながら ふと思い出したように言った。




「…………そういえば舜斗とミヅキちゃんさぁ、2人ともおんなじ格好だったんだよ」

「へ？」

「Shining One終わりんとこ。上向いて目閉じて、笑ってた」

「「…………」」




そうか、知らなかった。
でも何で急にそんな事、言うんだろう。

ほとんど開いていないような目の、とろんとした雰囲気のリュウヘイに、私と舜斗は無言で顔を見合わせた。




「ふふふっ…」




自分で話を振っておいて、リュウヘイは私達の「真似すんなし」「そんなん言わんでや」ってしょうもない会話をただ、にこにこと眺めていた。



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