ミュージックアワー【BE:FIRST】

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『絶対に間違いがないと約束するなら、ミヅキも一緒にするよ』という日高さんの試すような言葉に対する、私の答えはこうだ。




『寝室に監視カメラ付けて良いですよ』




中学と高校、それぞれ残すところ半年のメンバーが3人いる。これは結構会社として悩みの種だったらしい。

夏休みが終わる2週間前に舜斗とリュウヘイと揃って日高さんに呼び出された私は、学校が再開した後の生活について相談されていた。




『東京の宿だけど、ホテル生活か、2LDKくらいのマンションで共同生活ならどっちがいい？』

『えっ、』

『共同生活……』




まず戸惑いの声を漏らすリュウヘイと目があった。間にいた舜斗が『共同生活ってみづも一緒なんですよね？』と聞く。




『別々がいい？』

『、……別なら俺はホテルがいいです』

『僕と2人で生活は嫌って事？』

『ううん。私と一緒がいいんだよ』

『………もうなんでもいい』

『ふふっ』




どのみちシュントとリュウヘイは同じ部屋だよ。という日高さんの補足に舜斗が思いっきり顔を顰めた後、台詞は冒頭に戻った。


そして






「なー、ここにあったハサミ知らん？」

「知らない。みづそれ洗うの？」

「洗う。」

「もらう」

「はい、洗剤あっちのから先使って」

「ねーミヅキちゃんこのスリッパって何用？」

「それなぁ、ベランダに置くやつらしい(知らんけど)」




9月4日土曜日のお昼

某家財量販店で買い物を終えた私たち学生組は、都内某所のマンションまで連れてこられた。

「シーツは一回洗ってから付けなさいね」というスタッフさんの言葉に習って、全自動ドラム式洗濯機に3人分のシングルベッド用のシーツを詰め込む。




「………ねぇ、これ分けて洗わなきゃいけなかったやつじゃない？」

「いけるだろ。」

「ほんまに言うてる？」




ゴウン、ゴウン……と音を立てて回る洗濯機。(いやいや絶対あかんて)とそれを見下ろす私の横で、舜斗が脱衣所のビニールカーテンを付けてた。

そんな私たちのもとに、リュウヘイもやってくる。




「ねー、ミヅキちゃんこれは何ー？」

「あ、それなぁトイレのコンセントに挿して使うやつらしいー(知らんけど)」

「開けていいー？」

「いいよー」

「、……あれ、ハサミどこ？」

「だから無いの」

「リュウも知らなかったらもう誰も知らねーけど」




そんな感じで、私生活が自立できていない人間3人が集まったお片付けは混沌を極めた。10分後に日高さんを連れて現れたスタッフさんが「こーれは絶対に乾かない！」と、ぎゅうぎゅう詰めにされた洗濯機を見て笑うまで、私たちは本当にへっぽこだった。



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