九重世人の相棒 2 (ページ41)

今日:64 hit、昨日:43 hit、合計:222,455 hit

77 最善 ( 九重side ) ページ41

.

父「悪かったな、急に呼び出して。」

父に呼ばれ、警察局長室に入った。

九「警察局長としてですか…親父としてですか、。」

父「…どっちもだ。」

…きっと、例の動画のことだろう。

父「母さんから電話があってなぁ。
　ウチに沢山のマスコミが来ているらしい。」

九「すみません…」

父「お前は何も悪くない。もちろん、Aさんもな。
　 …ただ、こうなってしまったからにはもう
　ウチでは匿うことはできない。」

…わかっている。

九「どうすれば…」

父「世人。慣れない中で、お前はよく頑張った。
　この経験を大切に、これからも役に立てなさい」

九「…待って下さい！機捜を辞めろってことですか」

父「お前の為だけじゃない。
　 Aさんの為にもそう言っているんだ。」

九「いつもいつもそうやって勝手に決めて！！」

父「九重警部補。今は警察局長として話しています」

父「…お前といることでAさんがこれから
　何て言われるか、考えたことないのか？」

九「……。」

父「……分かった。自分で決めなさい。
　お前の大切にしたいものが本当に護れるのか
　よくよく考えた上で、決めなさい。」

父は、ずるい。

きっと俺の考えを見透かした上で、言葉を選んでいる

父の思い通りになっているようで悔しい。

…今この状況で、Aにとって何が最善なのか。

自分の中で出ている答えに、やるせなさが込み上げる