九重世人の相棒 2 (ページ33)

今日:125 hit、昨日:43 hit、合計:222,516 hit

69 次の未来へページ33

.

真「…なんかすみません、」

貴「いえいえ気にしないで！
　今日暇してたから大歓迎だよ笑」

真「あの…。…私みたいに虚偽通報に加担したような
　人でも…警察官、目指せますか…？」

わー言っちゃった恥ずかしい！と、真木さん。

こう見ると表情がコロコロ変わる、
ごく普通の女子高生だ。とても可愛らしい。

貴「んー、どうかなぁ。受けることは出来るはず。
　あとは自分次第だと思うから、そこで左右は
　されないんじゃないかな？」

…警察官、なりたいの？と聞いてみる。

真「…はい、実は。Aさんに助けてもらってから、
　そう思うようになりました。」

真「Aさん、男ばかりの中でも対等に戦ってて。
　めちゃくちゃカッコ良かったです！
　それから、私もあんな風になれたらな…って。」

貴「え～、？、えへへ、
　なんか、そう言われると嬉しいなぁ笑」

てかそこまで言われると照れるんだけど、！

貴「まぁ何にせよ、動機がしっかりしてる分
　強いと思うよ。
　まずは、試験を受けてみることだね！」

貴「…こっちで、待ってるね。」

真「ありがとうございます、頑張ります…！」

ぱぁっと瞳を輝かせて、
真木さんはそう答えてくれた。

真木さんは、未来への次の一歩を踏み出せている。

他の、陸上部の子たちははどうだろうか。

…特に、

貴「成川くんは…今なにしてんだろね。」

真「あ、成川。私、この前見ました」

貴「え、どこで！？」

真「夜、コインランドリーで。
　塾から帰る時に何回か見たから、もしかしたら
　そこに寝泊まりしてるのかも。」

貴「あ、ありがとう真木さん！
　また何かあったら、いつでも連絡してね」

じゃ、勉強頑張ってね、と告げ
真木さんとは別れた。

貴「どうしよう…」

今日は外出禁止。

だけど、本当にそれで良いのだろうか。

夕暮れ。もう、日が落ちかけている。

今からそのコインランドリーを目指せば、夜。

今日は九重の両親は帰らないと言っていた。

貴「散歩の帰り道、通りかかるだけ。」

そう言い聞かせ、私は方向を変えた。

………

成「…明日、10時半にカフェで待ってるので来て
　下さい、困ってるんです、お願いします！」

…コインランドリーで聞こえるのは、成川の声だ。

誰かと電話をしている…？

もしかしたらエトリかもしれない。

明日は、みんながガサ入れをする日だ。

九重があんなにも探していた成川を目の前にして
何も力になれないなんて、やっぱり嫌だ。

私は、九重の希望に応えたい。

明日の10時半。
間に合え、間に合え。