九重世人の相棒 2 (ページ25)

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九「…ちゃんと眠れた？」

今日は俺が代わるから、と
助手席のドアを開けてくれる九重。

確か初めて会った朝も運転代わってくれたっけ。

…眠れなかった。

2つの理由で眠れなかった。

盗聴器はもちろん肝が冷えるほどゾッとしたし、

深夜…伊吹さんにあんなことを言われるなんて。

九「…今日から、何処で暮らすの」

貴「え、」

よりによってこの話。昨日の火照りがぶり返す。

九「行くとこ、ある？」

朝の401号車内で、会話は続く。

貴「ん、伊吹さんと暮らそうか……迷ってる」

九「はぁ？」

正気か？とか
伊吹さんは危ないからやめとけとか。

…なんか怒ってる？

九「そんなの………俺の所に来ればよかやろ。」

だから伊吹さんのところなんか行くな、なんて。

ずるい。

貴「いやいや！
　付き合ってもない女が転がり込むわけには、」

九「伊吹さんなら良いわけ？」

っ………。

もういい、どうにでもなってしまえ。

貴「告白、されたの。」

九「へぇ、
　伊吹さんと付き合えば問題なしってことか」

貴「いやだから付き合うかはまだ…！」

九「ふーん、まぁ…お前の好きにすれば？」

そんなの、ずるい。私に選択肢を委ねるなんて。

伊吹さんにはあんなにちゃんと、
真摯な告白をしてもらったっていうのに。

何を考えてるのか全く分からない彼に
" 俺のことに来れば " と言われたことで、
自分がどうしたいのかなんて、
とっくに心の中で答えが出てしまっている。

あぁ、もう言い訳は出来ない。

私、九重のことが…好きなんだ。

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ご無沙汰しております、作者です！

たくさんのお気に入り&高評価、
いつも本当にありがとうございます！

おまけ話を、59話の次に追加挿入しました
55～56らへんのお話となっております！

志摩さんに「お前ら早く付き合え！」と
言わせたかっただけの作品になっております笑

ぜひお楽しみ下さい～！