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61 眠れない夜 ページ24




狙いはハムちゃんと、私…?

盗聴器を仕掛けた犯人は、エトリ関連の者ではないか
という方針で捜査が続けられることになった。

隊長とゆたか君、ハムちゃんは今夜中に
家族用の警察官舎へ移り住むそうだ。

勤務中の私は
今晩はとりあえず、皆んなと分駐所で仮眠をとる。

…これからどうしよう。
非番の日も毎日分駐所に泊まるのは、流石に、うん。

警察官舎は1人で住むには広すぎるし、
ホテルでも借りようと思ったけど、

『貴方も狙われてるんだから、1人で居るのは危険』

と隊長に言われてしまった。

隊『ごめんなさいね。
  Aも一緒に住めたら良いんだけど。
  …それにはちょっと、狭すぎるわよね。』

自身も大変なはずなのに私にまで気を使ってくれて。

隊長は本当に素晴らしい人だ。

伊「Aちゃん、手伝うよ」

皆んなが仮眠室にいる中、眠れずに洗い物をしている
私の所に伊吹さんが来てくれた。

貴「ありがとうございます」

きっと伊吹さんは、私が不安がってるだろうと思って
来てくれたんだろう。

みんな優しいなぁ、ほんとに。

伊「…住むとこ、見つかった?」

貴「いえ…。
  しばらく、分駐所の番犬にでもなろうかなぁ笑」

なんておどけて見せたけど、
こちらを見る伊吹さんの目は本当に優しくって。

貴「あの、…怖いです、私。」

ついつい本音がこぼれ出てしまう。

伊「Aちゃんさ、…俺と、住まない?」

私の頭を撫でながら、
伊吹さんが優しい声色でそう言う。

いつもはお調子者の伊吹さんに
歳上らしさを感じてしまい、甘えたくなってしまう。

伊吹さんと暮らしたら、見えない何かに怯える
毎日の中でも、楽しく過ごせるかもしれない。

…それも良いのかもしれない。けど。

貴「ありがとうございます。
  でも、そこまでしてもらう訳には」

大切な仲間だからこそ、これ以上迷惑かけたくない。

伊「Aちゃんさ、どうして俺がここまでするか、
  …分かんないの?」

貴「…っ!」

後ろからすっぽり、身長の高い伊吹さんに
優しく包み込まれる。

伊「俺、Aちゃんが好きだよ。
  こんな時にずるいって、分かってる。
  だけど俺、そのくらい余裕無いんだ」

貴「いっ伊吹さん、?
  今日はいつになく、冗談が過ぎますね、??」

伊「Aちゃん」

グッと片腕を引っ張られ、
くるっと反転させられて身体を寄せられる。

伊「俺、本気だよ?」

じっと目を見てそう言われた夜中の2時半。

おやすみ、と、トンと撫でられた頭が熱い。

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設定タグ:九重世人 , MIU404 , アンナチュラル   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:さみょん | 作成日時:2020年9月29日 8時

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