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「そうなんですね。楽しみです」
「そうじゃろうそうじゃろう！あ。心配せずとも、帰りはちゃーんと条野に送らせるからの」
安心せい、と自慢げな表情をする��子さん。
そんな穏やかな空気のまま、2人を放置して談笑していた。
ゲッソリとした顔で隊長さんが助けを求めてくるまで、あと数十秒。
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お店に着いてから瞬く間に時が過ぎ、夜も更けた頃。
私と条野さんのみ先にお開きとなった。
「……あの、隊長さんは放置で大丈夫なんですか？」
「えぇ。いつもの事ですので、放っておいても何らかの形で回収されますから」
「この前は漁船の網に引っ掛かってたな」
「魚も驚きでしょうね、本当に」
いや漁船は駄目だって。というか何故海に？
2人の話を聞いて余計に放っておいては危ない気がしたが、条野さんに背中をグイグイと押される。
「では後を宜しくお願いします。副長も鐵腸さんも吞み過ぎないでくださいよ」
「分かってる」
「儂には隊長のお世話という大業が残っておるからの。云われるまでもないわ」
じゃあのA、と笑顔で送り出される。
鐵腸さんも口いっぱいに頬張りながらﾋﾗﾋﾗと手を振っていた。
活気溢れる店内から出ると、凍えるような冷え切った風に吹きつけられた。
火照っていた身体から一気に熱を奪われてｶﾞﾀｶﾞﾀと震える。
「夜は一段と冷えますね」
「そうですね。風邪を引かないよう気を付けてくださいよ」
そう云いながら条野さんは自分のマフラーを私に巻きつけていく。
慌てて遠慮すれば「震えるほど寒がっているのは何処の誰でしょうか」と笑顔で圧をかけられた。
はい、黙ります。
丁寧に巻かれたマフラーに早速顔を埋める。
すっかり慣れた条野さんの匂い。仄かに残る彼の体温に、少し恥ずかしくなった。
「提案なのですが、Aさんさえ宜しければ寄り道しませんか？」
「寄り道、ですか？」
「えぇ。もう夜更けですし無理強いはしませんが、何方にせよキチンと送り届けるので安心してください」
如何です？と問われる。
断る選択肢を明確に提示してくれる条野さんに、熟知されているなと感じながら了承した。
「何処へ行くんですか？」
「うふふ、到着までのお楽しみですよ。さぁ行きましょう」
楽しそうに微笑んで、流れるような動作で私の手を取る。
体温を分け合うようにｷﾞｭｯと握り込み、静寂を知らない賑やかな街を並んで歩きだした。
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黒灰白有無％(プロフ) - 初期の頃に読ませて頂いて私得の方読ませて頂き此方の名が出て久々拝読を試みたら完結状態で吃驚です.未拝読の所も読ませて頂き再び拝読出来た事と物語の感動で感涙です!!文章が綺麗ですし迚も面白くて大好きです又1~読ませて頂きます.是からも蜿々と応援しています！！ (8月19日 8時) (
レス) id: 00e0ebd256 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 向日葵さん» コメントありがとうございます！条野さんメインの夢小説良いですよね(о´∀`о)中々数が少ないのが残念です…なので自己供給してます笑。不定期更新ですが、これからも宜しくお願いします！ (2023年3月5日 21時) (レス) @page29 id: 64577bab6f (このIDを非表示/違反報告)
向日葵 - めっちゃ好みです！猟犬(条野メイン)の小説大好きなんですよ!ありがとうございます。これからも応援させていただきます!！ (2023年3月2日 16時) (レス) @page29 id: bf5f5c7f70 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - mさん» コメントありがとうございます！夢小説、となるとキャラの性格を上手く当てはめる事は必要不可欠ですが大変な作業ですよね…。私も意識しつつ書いているので、そう言って頂けて嬉しいです(о´∀`о)不定期更新となってしまいますが、これからも宜しくお願いします！ (2023年3月1日 23時) (レス) @page29 id: 64577bab6f (このIDを非表示/違反報告)
m - 初コメント失礼します。とても綺麗な文章と構成に感動しました。上手くキャラの性格に合わせている所には尊敬しかなく、すべてが本当に好きです。どうかお身体にはお気をつけて楽しんでご活動続けてくださると嬉しいです。これからも心から応援しております。 (2023年2月24日 18時) (レス) @page27 id: 6abbe396c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハル | 作成日時：2021年12月9日 0時
