飴色の貴方と苦い恋（茶） (ページ15)

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パチパチとなる花火とドキドキする胸。
さっき抱きしめられた感覚が忘れられない。
そんな気持ちを知る由もなくざわくんが話し始めた

虫｢てつやがね、A線香花火好きだからとっといてやるげぇって｣

『小さい頃から好きなんだよねこれ、てっちゃんはいつもすぐ落とすからひとりでやってたげちょっと寂しかったりした笑』

いつもと変わらぬ素振りのざわくんにこちらも自然と心が緩む

虫｢僕も好きなんだよね線香花火でもてつやが全部Aに！ってしちゃうから出来なくてさあ笑｣

『ほんとに限度を知らないんだから、、、笑なんかごめんね？』

虫｢Aが謝るとこじゃないよ笑｣

他愛もない会話は進みラスト1本ずつになった

虫｢ねえ、これ最後まで残した人の言うことひとつ聞くってどう？｣

『いいやん、受けて立つよ』

虫『負けないぞ～～～』

二人同時に火をつけてじーっとパチパチ揺れる花火を眺める

静かな空間が流れる

花火の炎に灯された顔を眺めてるとやっぱり好きだなあと実感させられる

そんなことを考えていたら私の線香花火の火が落ちた

『あ！』

虫｢あ！落ちた！じゃあ僕の言うこと聞いてもらおっと｣

『うわ～～～くやし～～～』

ケタケタと笑いあっていたらざわくんの線香花火の火が落ちることなく終えた

虫｢じゃあ今度お出かけ付き合ってよ連れていきたいとこあるから｣

『そんなことでいいならもちろん！』

そんなことを話していた時だった

美桜さんの大声が聞こえた