飴色の貴方と苦い恋（茶） (ページ13)

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虫眼鏡side

2人を呼ぶと美桜だけ降りてきた

虫｢Aちゃんは？｣

彼｢んーなんか疲れちゃったみたい後で来るんじゃない？｣

確かに食事や片付けなどの準備はAちゃんに任せ切りで疲れてしまうのも無理ないかと思いつつ先に花火を始めようとした

て｢え、A来れないん？マジかちょいまち｣

てつやはそういうと花火セットの線香花火をひと袋取り出しほかの花火と分ける

て｢これだけ取っておいてくんね？A線香花火めちゃくちゃ好きなんだよね｣

彼｢そうなんだ！さすが幼馴染だね笑ね？たいき？｣

虫｢え？あ、うん｣

彼｢ぼーっとしないの、てつやくん花火始めよー！｣

て｢おりゃーーーーー！！！｣

ぱちぱちと花火が散る

てつやと美桜は楽しそうに花火をするが僕はAちゃんの心配でいっばいいっぱいだった

虫｢僕トイレ行ってくるわ｣

彼｢はーい｣

そんな嘘をつきAちゃんの元へ向かった

コンコンと部屋をノックし中へ問いかける

虫｢Aちゃん平気？大丈夫？花火無くなっちゃうよ｣

返事はなく寝てるのかと思い部屋をあとにしようとすると

『ｸﾞｽｯ……ﾋｯｸ……』

小さな小さな泣き声が聞こえた

それを聞き僕は慌ててドアを開けた

そこに座る彼女は静かに佇んで涙を流していた

虫｢Aちゃん？！大丈夫？！｣

『……あ、虫、さん、ﾋｯｸ大丈夫、だから』

虫｢大丈夫ならそんなに泣かないでしょ｣

『ううん、大丈夫だからっ』

強がるAちゃんの背中がどこか寂しそうで苦しそうで

思わず抱きしめてしまった。