４０ ページ42
紅葉Side
太宰が去ると室内は静寂に包まれた。全く、太宰がおらぬと此処迄静かになるものか。
まあいい。私は部屋に戻り茶と菓子でも持参してこよう。
鴎外 「おや、紅葉君。どうかしたのかい？」
紅葉 「部屋に戻り茶と菓子を持参して再度戻ってくるつもりじゃが？」
昆布茶にしようかのう。梅昆布茶でもいいのう！
鴎外 「紅葉君、此処にA君が来るまでずっとここにいるつもりかい？」
紅葉 「無論、そのつもりじゃ。」
私は部屋に戻る前、思い出したことを言葉に出してみた。
紅葉 「首領、探偵社に連絡をせずとも善いのか？して、中也はＱの奪還作戦に行くのではないのか？」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
執務室に戻ると芥川が微睡んでおり、織田とジイドは何かを話し合っていた。
紅葉 「まったく、鴎外殿は何処に行ったのやら。」
独り言のようにつぶやく。
織田 「失礼ながら尾崎幹部、首領は広津さんと共に寝室へ向かわれました。」
ジイド「恐らくはＱの奪還作戦について探偵社とのお話かと。」
紅葉 「そうか。態々すまぬな。」
サイドテーブルを部屋の中央に寄せ、その近くの椅子に腰かける。お茶を入れると、香り高いいい匂いがした。
≪ｻﾞｻﾞ､ｻﾞ､こ......で当たってる、かな？き、聞こえますか、兄ちゃん。A、です。≫
通信機が雑音が入り、その後に声が聞こえた。
紅葉 「Aかっ！？」
通信機は緑色に点滅しており、ＧＰＳも座標を特定したようで赤い光を放っていた。
≪あ、この声、紅葉姐さん？ボクです。兄ちゃんは、どこですか？≫
答えにくく、言葉が詰まる。この通信を一番心待ちにしていたのはあ奴だというのに。
織田 「A、俺だ。判るか？」
言葉に詰まっていると、織田が助け船を出した。ジイドは鴎外殿を呼んでくるそうだ。
≪織田作、かな？どうしたの。≫
織田 「太宰は今探偵社としてＱの奪還作戦に向った。中原もだ。首領は探偵社の社長に連絡していたが、直に戻ってくるはずだ。」
ドタドタと廊下に足音が響く。うるさい奴じゃのう。
鴎外 「A君っ！」
≪うげ、首領だ。≫
鴎外 「うげ、とは何だいA君。……すまないねえ。太宰君は今」
≪知ってます。今織田作が教えてくれたので。≫
鴎外 「………あ、うん。」
A、もっと云ってもよいのに。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 72人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
「 」 - お判りいただけてうれしいです。そうなんです、ところどころに歌詞が入っていたり、歌詞に似た言葉が入っていたり...。暇があったなら探してみるのもいいかもしれません。 (2019年12月11日 15時) (
レス) id: 43b82fbd6e (このIDを非表示/違反報告)
しり - 誰かの心臓になれたなら、ですよね！歌詞が入ってます！ (2019年12月11日 1時) (レス) id: b21ae34836 (このIDを非表示/違反報告)
「 」 - まゆさん» コメントをいただき、ありがとうございます。時間があまり無いので、更新が遅いですが、出来る限り頑張っていきます。 (2019年10月7日 0時) (レス) id: d2a4aee116 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年9月27日 13時) (レス) id: b085d94187 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時：2019年8月14日 12時
