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A Side

 A 『う、うう......ん。』

段々頭が覚醒していく。朧げな記憶で今のボクの状況を整理する。
確か寝ている間に誰かに口をふさがれ、俵抱きの格好にされた覚えがある。空を浮くような浮遊感に見舞われ、ボクを連れていく旨の話が聞こえたため、気絶していた体を呼び起こし、必死の覚悟で兄ちゃんに助けを求めた、だっけ?
床がひんやりしていることはないはずだからここはいつもと違い、ボクは誘拐されたことを悟った。

周囲を確認しようと、手で確認した。・・・否、できなかったというほうが正しい。
手を後ろで縛られているようだ。無理に引きちぎろうとしても縄は固く、逆に手首が痛くなるだけだった。

 蘆花 「お目覚めかな?ポートマフィアの姫君。」

誰かの声が後ろからした。閉鎖的な空間なのか、音が反響している。
それにしては聞き覚えがない声なのに、鼓動はよく聞く、不愉快な音。

 A 『誰なの?それと此処は何処。織田は?お兄ちゃんは?アンドレは。』

声の量を調節し、大体の部屋の大きさを反響の強さで測定する。どうやら、六畳くらいの鉄製の部屋らしい。
そして相手がどのような人物なのかわからない今は、普段の呼び方とは異なる人物の呼び方をしたほうがいいだろう。

 蘆花 「姫君は面白いくらいに知りたがりだね。君の弱点、僕は知っているんだよ?だからいい気にならないでよね。その気になれば僕は君を殺すことなんて一息でできる。そんなことをしないのは今から僕が君に話してあげるから、静かに聞いててね?」

彼?彼女?は、ボクに同意を求めるような声だけど、絶対却下ができないような声。

 A 『どうせボクが嫌だって云っても貴方はそのまま話し続けるんでしょう?それならそのまま続けてよ。』

まあいいや。彼は、満足げに頷いたような衣擦れの音が響いた。

 蘆花 「いいねえ、その言葉。面白い。僕の名前は徳冨蘆花。で、君の生存理由(レゾンデートル)は、太宰治をおびき寄せてポートマフィアを滅ぼすため。だから君は痛めつけてもいいんだ。あ、もう攫ったから君を殺しても何の意味もないね。あはははは、アハハハハ。僕は面白いくらいに頭がいいんだね。」

彼は段々壊れたような声になっていった。

 蘆花 「あ、もう一つ君には伝えておかなきゃいけないことがあったんだ。君は初めて出会った時から、―――――――――――。」

ボクは大きな音を立てながらしめられた扉の為、意識を手放した。

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「 」 - お判りいただけてうれしいです。そうなんです、ところどころに歌詞が入っていたり、歌詞に似た言葉が入っていたり...。暇があったなら探してみるのもいいかもしれません。 (2019年12月11日 15時) (レス) id: 43b82fbd6e (このIDを非表示/違反報告)
しり - 誰かの心臓になれたなら、ですよね!歌詞が入ってます! (2019年12月11日 1時) (レス) id: b21ae34836 (このIDを非表示/違反報告)
「 」 - まゆさん» コメントをいただき、ありがとうございます。時間があまり無いので、更新が遅いですが、出来る限り頑張っていきます。 (2019年10月7日 0時) (レス) id: d2a4aee116 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年9月27日 13時) (レス) id: b085d94187 (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2019年8月14日 12時

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