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国木田Side
国木田「なっ。太宰が、仕事をしているだと!」
約一か月ぶりに帰ってきた太宰が社長室で挨拶したと思ったら、
太宰 「国木田君、私に仕事ちょうだい。書類仕事ね。あと私今日から日暮れまでには帰るから。」
なんぞ言い出したのだ。
国木田「太宰、熱でも、在るのか?」
恐る恐る聞いてみても、
太宰 「私は通常運転だけど。国木田君煩いよ。仕事に集中できないじゃあないか。」
とまで言い出す始末。
あの太宰がだぞ?
こんなことがいつも続いていたからこそ、こいつの仕事はあったのだろうか。
敦 「・・・国木田さん、手帳反対です、、、。」
手帳が反対?・・・そんなことは断じてない。否、本当に断じてない。
それより、眼鏡は何処に行ったのだ?まあいい。スペアをつけるか。
敦 「国木田さん、なんでメガネが二重なんですか?」
・・・。頭の上に手をやり、ふとした違和感の正体に手を触れる。いつもつけている眼鏡があった。俺は静かに、動揺していると見せかけないように今付けたスペアの眼鏡を取り外して机に仕舞い、頭の上から救出した眼鏡をかけた。
谷崎 「ただいま戻りましたー。って、あれ?国木田さン、なンで震えてるんですか?」
国木田 「震えてなどいない。俺は決して震えてなんぞいないのだ!」
太宰 「国木田君、言い訳じみてるよ。」
太宰が、俺をおちょくらない?何故だ。通常運転では明らかにない。
そんなことを考えていると、いつしか探偵社はオレンジ色の夕焼けに染まっていた。
太宰 「国木田君、私は帰るよ。・・・おや?私より仕事が進んでいないじゃないか。八ッまさか私が来てくれたのがうれしくて、ずっと私に見とれて痛い!」
前言撤回。思わず太宰の腕をひねってしまった。
国木田「やっぱり根は変わらないな。明日もきちんと来いよ、太宰。」
扉の方に向かう太宰を眺めながら俺は太宰の瞳からより一層光がなくなったことを感じていた。
太宰 「ふふふ、分かっているよ、これからはきちんと来るさ。私は変わったのだからね。」
俺の心の内を知ってか知らずか、太宰は笑顔で探偵社を去っていき、ヨコハマの街並みに溶け込んだ。
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「 」 - お判りいただけてうれしいです。そうなんです、ところどころに歌詞が入っていたり、歌詞に似た言葉が入っていたり...。暇があったなら探してみるのもいいかもしれません。 (2019年12月11日 15時) (レス) id: 43b82fbd6e (このIDを非表示/違反報告)
しり - 誰かの心臓になれたなら、ですよね!歌詞が入ってます! (2019年12月11日 1時) (レス) id: b21ae34836 (このIDを非表示/違反報告)
「 」 - まゆさん» コメントをいただき、ありがとうございます。時間があまり無いので、更新が遅いですが、出来る限り頑張っていきます。 (2019年10月7日 0時) (レス) id: d2a4aee116 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年9月27日 13時) (レス) id: b085d94187 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2019年8月14日 12時