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職場体験の短いようで長い一週間を終え、久しぶりの登校となる今日。
職場体験はあの後も代わり映えなく、最終日にちょっとした騒ぎになった程度で幕を閉じた。
「あ、"カミツレ"お久しぶりです！」
「職場体験でしたよね！」
「あの、ヒーロー名でサイン下さい！」
「ベストジーニストのサイドキックに将来はなるの？！」
「コスチューム変わったって聞きました！」
「…………」
久しぶりの登校だからだろうか、いつも以上にAのファンが多い……いや、元気に声をかけてくれる気がする。
だが、相変わらず朝ごはんを食べてきていないAには、ちょっと関わりにくいテンションだった。
しかし、この状況を打破する方法をAは知らない。
絶望しながらガタンゴトンと電車に揺られていると、突然電車内が騒がしくなった。
止まった電車、時間帯、そして聞こえてくる女性の歓喜の声……間違いない！
バッとAが騒ぎの中心に顔を向けると、そこには予想通り、1週間ぶりに見える赤と白の髪の青年がそこにいた。
「……吉澤、おはよう」
「おはよう、轟くん……！めっちゃ待ってたよ……！」
「？おう」
やはりというか、轟がAの近くに来たら一気に周りの人が遠慮をしてくれる…！
Aはもう轟無しじゃ登校できないな、と冗談かそうじゃないか分からないことを思った。
少し期限が良くなったAだが、ふと轟の方を見てみると、何故か瞬き一つせずじっと見られていることに気がついた。
「……え、どうかした？」
流石のAも、顔の整ったイケメンに見つめられると照れるものがある。何か変なこと言ったっけ…？と思いながら聞くと、「いや、」と返ってきた。
「……こうやって吉澤と登校するの、久しぶりだと思って」
「そうだね、たった1週間違うことしていただけなのに」
「ああ、やけに長かったというか、しばらく会わなかったというか……」
何か言いたいことがあるのかと、Aは轟の言葉に耳を傾ける。
うーん、と言葉を探していたが、「ああ」とようやく納得のいく言葉が見つかったらしい轟が、Aの方を向いた。
「俺は吉澤に、会いたかったんだな」
「………え？」
今、Aはなんと言われた？
数秒固まって、ようやく言葉を噛み砕いて意味を理解する。
『会いたかった』
きっと轟に深い意味は無いのだろうけど、それは分かっているのだけど、どうしてかAの心臓はうるさかった。
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鬼龍炎(プロフ) - 続き楽しみにしてます！展開が楽しみです！ (2020年11月12日 1時) (
レス) id: 7c87da37ca (このIDを非表示/違反報告)
マキャベリ - 楽しみにしてます！面白かったです！ (2020年11月2日 14時) (レス) id: 303ab2eb20 (このIDを非表示/違反報告)
nightmare - 見てて、楽しかったです。これからも更新を楽しみに待ってます！ (2020年10月31日 23時) (レス) id: 97bb721bbe (このIDを非表示/違反報告)
ママリりすす(プロフ) - ありがとうございました (2020年10月24日 1時) (レス) id: ec99ffd70c (このIDを非表示/違反報告)
き(プロフ) - 展開面白かったです！これからも更新楽しみに待ってます！！ (2020年10月19日 18時) (レス) id: 0a962740d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくらもち | 作成日時：2020年10月19日 12時
