ヒロインなんて糞くらえ 【ツイステ】

第三十二話　師匠の元へ行こう、何回かしか話したことないけど ページ36

よし、これで面倒事は無くなった！


さて、でも暇なのは変わらない。


日はもう沈んでしまったようだ。


寮に帰ってもゲーム位しかすることが無い。


ゲーム…か。


『あ、そうだ、師匠のとこへ行こう！』


私は“師匠”の居る寮へ向かった。


その寮はイグニハイド寮。


この前行ったポムフィオーレとは打って変わって近代的でシンプルな内装だ。


「…あれ、A氏？」


背後から聞こえたおどおどとした声。


『師匠！』


背後に居た、私が師匠と呼んだ人物、それはイグニハイドの寮長、イデア・シュラウドだ。


「し、師匠！？」


『ゲーム上手いらしいじゃん？さっきからそう呼んでる』


「さっきって…。しかも別にそこまで上手くないし…。珍しいね、ここに来るなんて」


珍しい、というか初めてである。


何回か話したことがあるが、彼はどうやらゲームが上手いらしい。


ということでここへ足を運んだのだ。


『まぁまぁそう言わずに〜、昨日古めのゲームやってから今頭ん中がゲーム一色なのだよ』


「へ、へぇ〜…。てか、ちょっと変わった？陽キャっぽくなった…」


結構変わったと思うが、彼にとっては些細な問題でしかないらしい。


『ん〜、口調と見た目だけだよ。変わったのは』


「そっか…」


『それよりゲームゲーム！』


「はいはい…」


呆れたようにイデアはでかい廊下を進んでいった。


進んで行った先はイデアの部屋。


散らかっているかどうかは何とも言い難いが、生活感のある部屋だ。


何かよく分からない機械もあって格好いい。


『あ、そういえばあの子、弟くんは？』


ふと思い出した。


「あぁ、オルトのこと？じきに来ると思うけど…」


『私さぁ、オルトクンのロボットっぽいあれ好きなんだよねぇ〜、かっこいいじゃん？』


男子の夢だろう、あれは。


ロボットなんて好奇心をくすぐるためにあるようなものだ。


「へぇ、意外」


『何が？』


「ユウ氏はかわいいって。女子は皆そんなものかと…」


『あーね』


返事のしようがないので適当に相槌を打った。


“実は以前男子高校生やってました”なんて言えたもんじゃない。


「で、どのゲームやるの？」


そういってイデアは大量のゲームソフトを出してきた。


こうやって並べられると内容も分からないのにわくわくしてしまうな。

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