1話 ページ3
『走り過ぎても吐きそうにならないのは荘園で培ったものなり』
「はいはいそうだね、死にたくなければもっと焦った方が良さそうだよ。ここが何処かも分かっていない今、脱落後に荘園に戻れるとも限らないんだから」
『ワーッキャンベルさんこっわい事言う〜!そんな気はしてましたよやべぇ走れ走れ』
正気を捨てて叫びたくなる程の恐ろしさだ。
普段から殺され慣れてる、と言う言い方はあれかもしれないが実際死に慣れしているとは言え真面目に死ぬのは流石に恐ろしい。
見た事のない生き物は恐ろしい顔で此方に向かって走って来る。あんな速さでやって来るのはハンターで言うと…誰だろう…刹那使ってる芸者の美智子さんとかだろうか。あとは風域使いの夜の番人・イタカくんとか…
とにかくそのレベルの速さで走って来られて逃げ切れている自分達はかなり凄いのだと思う。さすが伊達に長年荘園に居るだけある。
「くだらない事考えている暇あったら本気で走りなよ」
『既に本気なんですけどねぇ!!』
「今はチェイスモードにしといた方が良いよ」
『それでは聞いてください、どうやらここでは制限がないらしい』
「つまりここはやっぱり荘園じゃない…って?」
『嫌な事考えさせないでくださいよ鬼畜!!』
今隣を一緒に走っているのは、荘園にて知り合った探鉱者のノートン・キャンベルさんである。
彼も体力とか諸々ありまくりな男なので一緒に走っていても全然体力を消耗していない様子。
『て言うか自分に制限がないのならキャンベルさんにも制限はないのでは?磁石使ってあれ何とかしてくださいよ』
ノートン「荘園ではそれこそ特質として扱われるからスタンを入れられるけど、それがあの異形に発揮出来るかと聞かれれば違うんじゃない?基礎体力なければ今頃僕はあれに殺されてたと思うけど」
『これだけ一生走ってて“基礎体力”なんて言葉で片付けられたらあれだってやってられないよなぁ』
少なくとも壁にぶち当てれば何とかなると思いますよ、と言えば「もし何ともならなかった時どうするの?ただ距離が近付くだけ」なんて冷静に答えられてしまった。
やってられるか…やってられるかよ…
そもそもさっきまで自分達は何をしていた?この後使うマップの手入れに行けと荘園主から言伝を言い渡されたナイチンゲールさんに言われマップの手入れに向かっただけじゃないか?
余りにも酷い、何だこれは。
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虹希(プロフ) - よくねたしおさん» ありがとうございます〜!更新ゆっくりになるかもしれませんが書いていきたいと思いますのでよろしくお願いします!✨ (6月22日 16時) (レス) id: 2482e00544 (このIDを非表示/違反報告)
よくねたしお - 好きです!!応援してます! (6月22日 12時) (レス) @page6 id: a2762c3708 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:虹希 | 作成日時:2023年6月21日 3時