9話 ページ11
『キャンベルさんどのくらい倒した?』
ノートン「今ので八」
『自分十三〜勝った〜』
ノートン「競ってないから」
最終選別開始から四日ほど経った頃だろうか。二人で活動をしながら何体倒したかなんて話をしながらまた歩く。
時々何方かが眠り何方かが見張ると言う形でやっているからかほとんど疲れが来ない。元々こう言う野宿系が苦手ではないもの同士だからなのだろうか。…夜になるとキャンベルさんが不穏にはなるのだけど。狭くない所なだけまだ良かった。
ノートン「藤襲山、そんなに強い鬼は居ないって聞いてたけど事実だったね」
『ですね、木に吊るした鬼の方がまだ強かった』
ノートン「一瞬で倒されたのに強かったって言われるの可哀想すぎる、そんな慈悲なら与えない方が良い」
『そこまで言う??』
いや、まあ、悪かったかもしれないけれど。確かに瞬間的ではあったかもしれないし。
にしてもあと三日もあるのか、一週間と言うのは中々に厳しいものを感じるな。何と言うか…飽きる。
ノートン「ねぇ見てよこれ」
『んー…血の跡?』
ノートン「辿ったら誰か死んでそう」
『わぁ不穏〜〜〜』
ノートン「対戦前強そうな人いたっけ」
『対戦前って言い方があまりに荘園に染まっている。…いたっけな〜ああでも仮面つけてる子達は目に入ったなぁ』
ノートン「へぇ、それでその理由は???」
『分かってて聞いてるの質悪すぎて無理』
嫌味っぽいの腹立つんだよなぁ。そう思いながら血の跡を辿って歩く。
ここで会ったのも何かの縁、もし救える命があるのなら救ってあげようと思う。救えないのであればそれまで、そこで終わる運命だったのだろう。そのくらいには割り切って生きている、そうでもなければ荘園のゲームで勝ち残る事だって出来なかったから。
時には見捨てをしなければならなかった。キャンベルさんはそう言う所割り切るの得意だったし、今回も敵わない敵が居たらきっと直ぐに引き下がるのだろう。
自分もそれを見たら引き下がろう。わざわざ普通ではないと、力はあると周りに見せつけた所で問題しか起こらないのだから。…分かっているのだから。
ノートン「…良かったね、まだギリギリ生きているみたいだよ」
キャンベルさんがそう言って指をさした先には、これまで会った鬼達より余程大きい鬼と対峙している、仮面を被った一人の少年の姿があった。
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虹希(プロフ) - よくねたしおさん» ありがとうございます〜!更新ゆっくりになるかもしれませんが書いていきたいと思いますのでよろしくお願いします!✨ (6月22日 16時) (レス) id: 2482e00544 (このIDを非表示/違反報告)
よくねたしお - 好きです!!応援してます! (6月22日 12時) (レス) @page6 id: a2762c3708 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:虹希 | 作成日時:2023年6月21日 3時