煌めく君に恋をした

あの日の苦痛 ページ5

NOside
「彼処までサッカーの神に見放された(愛された)奴は見たことがない」

皮肉か事実か、彼の周りではそんな言葉が飛び交った。

13歳という若さでその名を世界に轟かせた異形の逸材。

人々は彼を見てこう言った。










「可哀想な子……………」

と。

次の日の新聞一面に彼の偉業についての記事が載る。

この記事を読んで高く評価する者もいれば、嘘偽りだと罵倒する者もいた。

テレビでもそのニュースは取り上げられ瞬く間に彼はスーパースターとなった。

だがそれは“オモテ面”の良い部分しか取り上げられておらずその場に居た者以外その真相を知らなかった。

“21人殺しのストライカー”。

その場にいた大人達は彼をそう呼んで恐れた。

彼以外の選手はみな、二度とボールがけれなくなると言う後遺症を背負わされたからだ。

『……………どうしてみんな、“僕”の傍から離れて行くの？』

答えが返ってくるはずもなく少年はその場にしゃがみこみ大粒の涙を零す。

彼は裏切られたのだ。

心から信じていた親友達に。

13歳とは言えまだまだ子供。

裏切られると言う行為の意味をよく理解することが出来ず心に深い傷をおった。

そして彼は間違った方に足を伸ばしてしまった。

“仲間に裏切られるくらいならいっその事俺が壊せばいい”と言う思考に至ってしまう。

どれだけ兄達が警告しても彼の中にある裏切られたと言う事実が付きまとう。

だが彼もその考えが良くない物だとは認識している。

けれど彼の中にあるドス黒い感情がその思考を手放そうとしない。

沢山の鎖に縛られ何も感じなくなる1歩手前で彼に救いの手が伸びる。

それは…………。












ノエル・ノアとの出会いだった。

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