煌めく君に恋をした

あの男 ページ38

？？side
彷徨える“主人(子羊)”の夢を見た。

理想の(完璧な)子じゃ無いからと見捨てられ、それから自分が分からなくなった彷徨える“主人(子羊)”。

あの子はそう言う子だった。

出会ってはや8年。

あんなにゾクゾクした視線を浴びたのは初めてだった。

元の仕事はサッカー選手では無く、牧師だった。

人の懺悔を聞き、巡礼をし、神に仕える。

それが昔の仕事だった。







？？「牧師様はお堅いなぁ」

礼拝堂に来たなんともふざけた男。

彼が私に(を)自由をくれた(楽園から追放した)。

？？「俺には可愛い弟が2人いる。1人は今から合わせてやれるがもう1人は日本にいてな」

？？「ご兄弟が居らっしゃるのですね」

？？「あぁ！クソ程かぁいいんだぜ！見ろよ、この写真！」

懐から出したその写真に写っていたのは彼のご兄弟2人。

その2人は仲良く眠っている様だった。

？？「アンタからすれば俺はアンタを地上(地獄)に落とした悪人かもしれねぇ。けど、俺は此奴等を守る為なら“神様とやらも殺してやる(地獄に堕ちる覚悟はある)”」

その真っ直ぐな目を見て思ってしまったんだ。

なんて素敵なお人なのだろうと。

我らが神を殺すと言う発言は些か笑顔で聞けませんがそれ以外はとても素晴らしい方なのだと本気で思った。

だが、それと同時に聞こえてしまった。










“手網(魂)を握って居なければその子は死んでしまうでしょう”










それは長年お慕いしていた“神(“聖なるお方”)”の声であり、悪魔の声を。

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