煌めく君に恋をした

光をくれた人 ページ14

Aside
絵心さんが帰ってからも引き続き俺は選手データを記憶していた。

けど流石に疲れる。

『(クリスとはさっき電話したしロキもラヴィもマルクもはまだ練習中だろうしノアは………)』

そこで俺の意識は途切れた。














？？「私は女の子が欲しかったのよ！なのに生まれてきたのは男の子じゃない！」

？？「俺の所為だって言うのか！？そもそもそんなに嫌なら性別が分かった時に切開でもして取り出しゃ良かったじゃないか！」

？？「私にお腹を切れっていうの！？」

…………声が聞こえる。

大嫌いな声が。

クソな父親と母親の声。

俺が女じゃなかったからって暴力を振るう母親、俺を“性”の吐き溜めとしか思っていない父親。

兄さん達は居たには居たが留学に行かさせられていたから帰ってくるのは長い休みの時だけだった。

どうでもよかった。

体を傷付けられるのも、汚させるのも全て自分が我慢すれば終わる事だって何時も思っていたから何も言わずに言う事を聞く。

じゃないと持っと酷い事をされるから。

母親は狂ったように俺に髪を伸ばさせた。

無理矢理にでも女の子にしたかったらしい。

豊胸手術や陰部切除をしてまでも女の子にしたかったらしい。

父親は父親で仕事の疲れやストレスを俺の体を使って発散していた。

その時間はただ震えて行為が終わるのを待つしかなかった。

もし逆らえばどんな事をさせるか分からなかったから。

けど、そんな生活から救ってれる人が居た。

俺に手を伸ばしてくれた人が居た。

その人には嘘が通じなくて生まれて初めて人前で泣いた。

大きな手で俺の頭を撫でてくれた。

居場所を与えると言ってくれた。







『僕の事大好きだね』

彼は驚いた顔をしていたがまた頭を撫でてくれた。

『ありがとう、“ハニー”』

？？「俺の事か？」

『うん。初めて俺の事をしっかり見てくれて認めてくれた。だから貴方は僕の“ハニー(理解者)”だ』

ノアは笑ってくれた。

優しくてとってもかっこいい笑顔で笑っていてくれた。

俺の中にあるノアへの感情はきっと………。



















『εξαρτώμαι από σένα(俺は君に依存している)』ﾎﾞｿｯ

そこで目が覚めた。

糸師凛→←もしかして

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す