3話 ページ3
「…っは、…………どこだ此処…
そう言葉をこぼしながら見渡せば、洞窟のような岩肌と足下に生えた黄色の花が目に入る。
当たり前ながら、彼にはこんな場所に見覚えはない。
ならば、“能力者”によって転移させられたか、それとも幻覚でも見せられているのか……
そこまで考えた時、ふと怪我の事を思い出す。
「…治ってる………いや、…この場合は
“怪我を無かった事にされている”
と言った方が正しいか…?
少年の捲ったＴシャツには銃弾が通ったであろう穴と、いまだ乾いていない血痕がべったり着いているが、その根元である傷は見当たらない。
つまり誰かが、わざわざオレを生かしたって訳だ。
少年の口角が上がる。
少年の純黒色の瞳にうつるのは、興味と好奇心………そして、一種の狂気。
少年は正体の見えない何かに待ち遠しさを感じつつ、足下の花を気にせず歩みを進めた。
地面にはうっすらと道らしきものがあり、道なりに進む。
道中、古い遺跡の柱や見たことの無い植物を発見したが、特にこれといった物は無い。
歩き始めて数十分くらい経った頃、少年の足が止まった。
視線の先にあるのは、黄色の花の上に不自然に積もった灰。
誰かが捨てたのだろうか、と何処か引っ掛かりながらも、少年は気にせず灰の上を歩いた。
それから少しして見えてきたのは、左右両方についた２つ階段と、その中心にある大きな扉。
遠くからでも見えるそれに期待感の様なものを感じ、そこへと近付く。
すぐ近くの壁に書かれていた文字は、
＿＿ルインズ(Ruins)
＊＿＿… ＿＿＿＿＿＿＿
続く (更新停止中)
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作者名：八三 | 作成日時：2018年9月20日 18時
