新・オッパは俺だけ！#03〜YS

2人で年越し -YS- ページ15

YS-side


アルコール禁止を言い渡したら、心なしかションボリして。

YS「なに、飲みたかった？」

「あのね…お正月だから、日本の“お屠蘇”と“甘酒”を料理長がくれたそうなの。それとオンニお手製のハーブ酒、去年飲ませてもらったんだけど、すごく美味しかったから…」


──うーん(-_-;)

日本の風物詩…
風習っていうのか？

ずっと韓国にいるのに、そういうのまで禁止したら可哀想かもな。
それにジナさんもいて、男と2人っきりになる訳じゃないし。


YS「なら酔わない程度に、少しだけだぞ？それと、しっかり酔いを醒ましてから、店長の家を出る事。それが約束できるなら…」

「約束する。1口ずつくらいしか飲まないから」

しぶしぶ許可したら、満面の笑み。

YS「俺とは、最初の休みの日に乾杯しよう」

「楽しみにしてるね」

──その日は、たくさん驚かせる予定だからな…


ケータリングは大繁盛で、新年も3日から予約が入ってるらしい。

ユイは4日まで休み、川上さんが日本から戻るのは5日。
それまで彼女が1人で仕切るって言ってたが…

YS「あまり無理するなよ」

「うん、大丈夫……あっ、もうすぐ年越しだね」

時計を見ると、ちょうど0時になろうとしていた。


Aは、俺から急に離れて。
背筋を伸ばして正座した。

俺もつられて、姿勢を正して。
声を合わせてカウントダウン。


YS＆A「「5、4、3、2……」」

すべての針が重なった瞬間。


YS『あけまして…おめでとごじゃいます！』
「あけましておめでとうございます！」

お互いに、相手の国の言語で新年の挨拶をするという…

YS「ん？」
「えっ…？」

YS「ハハッ…」
「クスッ…フフッ…」

顔を見合わせて笑ってしまった。
…が、すぐに彼女の目が潤んで。

「日本語で言ってくれて嬉しい。ありがとう…」

YS「今年最初に聞く日本語も韓国語も、俺だな」

本年の彼女の“初めて”を1つGET。
かなり満足…(￣▽￣)


──もうそろそろ帰らないと…
Aも一日中配達回りだったし。

そう思って立ち上がりかけたら、服の裾を掴まれた。


「オッパ…？」

YS「なんだ？」

「今年最初の…お願いがあるの」

YS「お願い？」

「うん……あと10分、ううん、5分でいいから…ギュッてしてくれる？」


──ドッキューーン♡


まったく…
俺の彼女は…


なんでこんなに愛らしいんだ？


YS「10分じゃ…すまないな…」

優しく、でもしっかりと抱きしめて。

もちろん、柔らかい唇も…
たっぷり堪能した。

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