新・オッパは俺だけ！#03〜YS

ダメなもんはダメ -YS- ページ14

YS-side


想定通り。
店での俺の言動を訊ねられて。

澄んだ大きな瞳で、ジッと見つめられて。

YS「どこにも行かせたくなくて、体が勝手に動いた…悪い」

…白状した。

本音は、アイツに見せつけて、牽制したかったってのもあるけど。


YS「で？忘年会、楽しかったか？」

「あんな事されたから、ずっとオッパが気になっちゃって…」

Aの脳内を占めていたのは俺だと思うと、自然と口元が緩む。

YS「じゃあ、効果アリだったな…」

「聡志くんに知られちゃうって、焦ったんだよ？」

YS「同僚なんだから、別にバレてもいいだろ？」

むしろ知られたい。
いっそ知らせてやれ。

「でも…聡志くん、日本に残してきた彼女にフラれたばかりだから…言いづらくて」

YS「フラれた…？」

「うん。東京のお店のバイト仲間の女の子と付き合ってたらしいの。でも、その子に新しい彼氏ができちゃって…それでこの前のミュージカルの日、落ち込んでてね、飲みたいって言うから屋台に行って…」


それって、本当の話しなのか？
Aの気を引こうとして大袈裟に言ってるだけなんじゃ…

一般的に…弱みを見せる男に、女性は母性本能を擽られるらしいし(←どこ情報？)

──Aは優しくて、人の話しを疑わないからな。


「今日の焼肉屋さんでも、かなり飲んでて。“たまには一緒に飲もう”って、私もマッコリを勧められたんだけどね」

YS「なにっ？」

「でも、ユイちゃんが心配して隣に来てくれて…結局、ジュースと代えてもらったの」

──ユイ、グッジョブ！！


しかし、やっぱりアイツは侮れない…

「今夜も焼肉屋さんの後、徹さんや若いバイトの子達と飲みに行くんだって。私も誘われたけど…ダッシュで帰ってきちゃった。オッパに…会いたくて…」

照れながらそう言って。
また俺の胸に顔を埋めてきた。

──ク〜ッ…堪らなく可愛いぞ？


「それに明後日、徹さんとジナオンニのお家で一緒になるし…」

YS「えっ…」

「この前話したよね？去年みたいにお呼ばれしてて。今回は聡志くんも行くの」

すっかり忘れてた。
俺が韓国にいない日だよな…

YS「お正月でも、油断して飲むなよ？」

「えっ、新年のご挨拶だし、オンニもいるし…少しだけでもダメ？」

YS「ダメ。Aは前科があるだろ？」

「前科なんて、オーバーな…」

YS「ダメなもんはダメ」

「はい……」


Aは、酔うと可愛さと色気が倍増するんだから。

頼むから…その姿を見せるのは俺だけにしてほしい。

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