新・オッパは俺だけ！#03〜YS

甘えない彼女 -YS- ページ1

YS-side


香港でのK.R.Y.のライブを無事に終えて帰国。

しかし、収録や撮影、年明けのライブやペンミの準備。
さらには、撮影目前の映画のために、日本語レッスンや台本の暗記…

兵役中には“懐かしい”とさえ思ったその忙しさは、嬉しい半面、最愛の彼女に会えないというジレンマが生じていた。


Aも昨年同様、“おせち料理”の配達や年末の得意先回りに多忙を極めているようで。クリスマスから会えていない。

そうこうしてるうちに、今年も明日で終わる。

今夜も…帰宅したAと電話でビデオ通話。


YS「忙しくてバテてないか？」

「大丈夫、元気だよ？去年のおせちは1号店の厨房で作ってたけど、今年はケータリングの方で全部調理しててね。1号店の人達もこっちに来て手伝ってくれてるの」

それを聞いて…あの男を思い出す。

YS「今日は…誰と配達に行ってたんだ？」

「最近はユイちゃんと聡志くんと一緒に回ってるの。聡志くん、車の運転ができるし…」

──イヤな予想って、当たるもんだな…

でも、仕事なんだから。
平常心、平常心…(-_-;)


「そう言えば、去年はSJの宿舎にもお届けしたけど、今年はドンヘさん達もいないし、キュヒョンさんやリョウクさんはオッパと一緒にジャカルタでしょ？食べる人がいないから、お届けできなかったの」

YS「そうなのか？年長組もみんな、宿舎を出たしな…」

「うん。あ、でもジョンジンさんにはお友達と食べたいからって注文もらってね、明日お約束してるの」

YS「そうなのか？あいつ、一言も言わなかったな…」

という事は。
家かマビに来るのか？

YS「何時ごろに、どこに届けるんだ？」

「全部の配達が終わってから、マビの2号店に届けてねって言われてるの」

明日はK.R.Y.のリハさえ終われば、その後のスケジュールがなかったはず…
確実じゃないが、俺も店に行けば…もしかして会える？

「オッパは…明日もお仕事？忙しい？」

YS「リハーサルや映画の準備があるからな…」

「そう…だよね…」


電話越しに感じる、沈んだ声。

“会いたい”って甘えればいいのに。
それを言わないのがAの可愛い所だけど。

ここはやっぱり、不意打ちで現れて喜ばせて…


「明日ね、お店のみんなで忘年会しようって誘われてるの。出てもいいかな？」

──ええーっ！？

YS「それって、川上さん…とかも一緒か？」

「ううん、川上さんは昨日から日本。今は徹さんが仕切っててね…」

──クッ…正直に“行くな”って言うべきか？

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