ヒョンなんかやめて -DH- ページ6
DH-side
駐車場に着いても、Aちゃんは茫然としてて。
その瞳は、どこか遠くを見ていた。
またティッシュの箱を持って、隣に座ってみたけど…
──きっと…涙も出ないほどショックなんだよね？
DH「Aちゃん…」
声をかけたら、ようやくハッとして、俺の方に振り向いた。
なんて声をかけていいのか分からない。
ヒョンとセユンの間に子供がいたなんて…俺だって驚いてる。
すると、彼女の目が一瞬見開いて…
「ﾄﾞﾝﾍさん…血が…」
DH「えっ？」
自分の右肘を見ると、転んだ時の擦り傷が出来ていた。
あの時、咄嗟にAちゃんを引き寄せて。
反動で後ろに倒れる時、彼女を守って受け身を取る事に必死だった。
DH「Aちゃんの怪我の方が気になって、全然気付かなかった…たいしたことないよ」
「あっ、私の部屋に消毒薬と傷パッドがありますから…来てください」
DH「でも…」
──俺と2人で部屋になんて…平気？
そう言おうとしたけど、彼女が車を降りたので、俺も急いで後を追った。
──ピッ、ピッ、ピッ、ピッ…
見ちゃった…
エントランスの暗証番号。
黙ったまま部屋へ向かうAちゃんに付いて行って、部屋の前でまたさっきの番号。
──ヒョンの誕生日だ…予測はできてたけど…
「どうぞ…入ってください」
パタパタと慌てて入る彼女に続いた。
DH「おじゃま…します…」
「ここに座ってください」
言われるがまま、椅子に座っていると、クローゼットから白いボックスを出してきてテーブルに広げて、俺の傷口を消毒し始めた。
部屋で2人…
しかも距離が近すぎて、顔が見れない。
「あの、ちゃんとお医者様に見せてくださいね」
DH「このくらい、すぐ治るよ」
白い大きめの傷パッドも貼ってくれて。
DH「ありがと…」
そっと顔を上げて、Aちゃんを見ると、今にも涙が零れそう…
「私のせいで…すみません…」
DH「ううん…」
「………」
DH「………」
少しの間、沈黙が続いて。
口を開いたのは、Aちゃんだった…
「さっきの会話、聞こえました…よね？」
DH「…うん」
「私……っ…どうしたらいいんでしょう…」
DH「Aちゃん…」
「うっ………っ…オッパのために…ヒック……私は…どうすれば…」
彼女の瞳から大粒の涙がポタポタと流れ落ちる。
それを見てるだけで、胸が苦しい。
でも…
彼女が泣いてるのは、ヒョンを想ってるから。
“ヒョンなんかやめて、俺にしなよ…”
そう言えたらいいのに…
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紫桜雲(プロフ) - hibisinkuu410さん» 早くヒロインちゃんと兄さんに笑顔が戻るよう、更新頑張りますので、またご感想などお聞かせいただけると幸いです(^-^)今後もよろしくお願いします♪コメント、ありがとうございましたm(__)m (2017年3月10日 23時) (
レス) id: 0e3a2fed79 (このIDを非表示/違反報告)
紫桜雲(プロフ) - hibisinkuu410さん» 初めまして(^-^)いつも読んでくださっているとのこと…まだまだ未熟な私の作品でドキドキハラハラ、ワクワクしてもらえていたら嬉しいです。続編5章は書いていても、かなり切なかったです((T_T))次章も切ない展開が続くと思います(>_<") (2017年3月10日 23時) (レス) id: 0e3a2fed79 (このIDを非表示/違反報告)
hibisinkuu410(プロフ) - 絡んだ糸は簡単には解けないのかも知れませんが、兄さんの誤解が解けて少しでも早く幸せになりますように……って思う反面、まだ色んなストーリーでﾜｸﾜｸ・ﾄﾞｷﾄﾞｷ・ｷｭﾝｷｭﾝ出来れば幸せです(*^^*)長々なコメントすみません。 (2017年3月10日 21時) (レス) id: 79e0a8589c (このIDを非表示/違反報告)
hibisinkuu410(プロフ) - 初めてコメントさせて頂きます。紫桜雲さんの作品がいつも素敵なのでいつも読ませてもらっています。ﾜｸﾜｸ・ﾄﾞｷﾄﾞｷ・ﾊﾗﾊﾗ・ｷｭﾝｷｭﾝ・ﾎﾟﾛﾎﾟﾛとあるなか、今回の#05は常にﾎﾟﾛﾎﾟﾛと泣けてばかりでした。→ (2017年3月10日 21時) (レス) id: 79e0a8589c (このIDを非表示/違反報告)
紫桜雲(プロフ) - きよらさん» 私も兄さんに幸せにしてほしいです(ToT)ドンへさんの３つのお願い…余計に混乱を招くかも…？失意の兄さんとヒロインちゃん、次章でまた寄り添えるか…見守ってくださいねm(__)m (2017年3月10日 19時) (レス) id: 0e3a2fed79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫桜雲
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/sakurakumoys01/
作成日時：2017年2月15日 9時
