その3 ページ12
DH-side
やがて、彼女が去っていくと、ヒョンは車に戻って発車させた。
ヒョクも車を走らせて。
ヒョンの後ろをついていって。
ヒョンの車が停まったのは、Aちゃんのマンションの前の公園の脇。
少し離れた所に、ヒョクも停車させた。
EH「今度は…車から降りてこないね」
DH「うん…」
──こんな所で…一体、何してるんだろう?
EH「あ、Aちゃん…」
俺達から少し遅れて、彼女が帰ってきた。
マンションの前で自転車から降りると、ヒョンに気付かず、エントランスの中に入って行った。
彼女の姿が見えなくなると、ヒョンの車は走り去っていった。
EH「もしかして…声もかけずに、ただ見守るため…?」
──あのヒョンが…?
女は信用できないって…
運命なんて縁がないって…
そんな風に言ってたヒョンが。
Aちゃんが、店から無事帰るのを見届けるためだけに?
EH「リョウクが言ってた…ヒョンがAちゃんに告白したって。今は彼女からの返事をひたすら待ってるんだって…だからお前も気持ちを伝えるなら今しかないって思って…」
DH「あんな切ない表情で、Aちゃんを見つめるヒョンの顔見たら…リョウクだって堪えてるのに…俺、自分の気持ちだけ考えて、突っ走るなんてできないよ…」
EH「ドンヘ…」
DH「俺が気持ちを伝えたって、フラれるのは間違いないよ。しかも、Aちゃんだって困るだろうし、ヒョンの邪魔するみたいで…」
目一杯、やせ我慢をして。
虚勢を張った。
EH「だからって…いいのか?」
ヒョクが俺の顔を見つめて聞いてきた。
DH「いい……いい訳ないじゃんっ!俺だって…どうしたらいいのか分かんない…ウッ…分かんないよ、ヒョク〜!!」
女々しいけど…ヒョクにしがみついて、号泣してしまった。
──この気持ちを、どこに持っていったらいいんだよ…
DH「ウッ…どうすればいい?ねぇ、グスッ…Aちゃんもヒョンもリョウクも、本当に…大好きなんだよ…どうしたら…ウッ…辛くなくなる?こんな場面、見たくなかったよーっ!」
ズルい俺は、ヒョクに責任転嫁するような言葉をぶつけてた。
EH「ドンヘ、ゴメン…無理に連れてきちゃって。ホント…俺が悪かった」
気付けば、ヒョクも涙ぐんでて。
ヒョクは何も悪くないのに。
俺の気持ちを考えて行動してくれたのに。
──謝らせてゴメン…
でも、今は…誰かのせいにして、とにかく泣きたくて。
本当に…悪い、ヒョク。
──お願い…今日だけ、許して?
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紫桜雲(プロフ) - miyamiyaさん» いつもコメントありがとうございます!このままドンヘさんも続編に登場です(*´-`)兄さんカップルの幸せがどんへさんにとっても願いですよね… (2016年10月31日 15時) (レス) id: 0e3a2fed79 (このIDを非表示/違反報告)
miyamiya(プロフ) - 紫桜雲さん、お疲れ様でした。ドンヘの想いの為にも、イェソンさんたち、笑顔でいて欲しいって思います。ドンヘにも、早く運命の出会いがあるといいですね。ありがとうございました。 (2016年10月31日 6時) (レス) id: 2e42edb1c3 (このIDを非表示/違反報告)
紫桜雲(プロフ) - ルイさん» ありがとうございます!切なさだけでなく、ドンヘさんの前向きな清々しさを感じ取っていただけて嬉しいです(*^^*)また続編もよろしくお願いします♪ (2016年10月30日 22時) (レス) id: 0e3a2fed79 (このIDを非表示/違反報告)
紫桜雲(プロフ) - やーさんさん» コメントありがとうございますm(__)mドンヘさんの片想い、書いていても切なかったです(>_<)引続きよろしくお願いします♪ (2016年10月30日 22時) (レス) id: 0e3a2fed79 (このIDを非表示/違反報告)
紫桜雲(プロフ) - りんさん» 今作も最後までお付き合いいただいて、ありがとうございますm(__)m番外編のお友達、兄さんの続編に登場予定です!確かにドンヘさんといいかも…? (2016年10月30日 22時) (レス) id: 0e3a2fed79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫桜雲 | 作者ホームページ:https://twitter.com/siouun1106?s=06
作成日時:2016年9月26日 20時