Sweet memories of the stray dogs (ページ5)

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白いカラス。

彼女が言った言葉は、二年前にさかのぼる。

「上のモンがカラスは白い言うたら、カラスは白いんじゃ、ボケ。」

二年前、彼女の中学の生徒指導の教師が放った一言だった。

彼女は、その言葉に反発していた。

。。。

二年前、俺は今のように仕事をしているわけでもなく、ぐれているわけでもなかった。
今より、若干イキってたガキで、まだ髪は今のような色ではなく黒髪で、ふらふらとしていた。
そんな俺は、母校の中学に顔を出し、吹奏楽部の練習を見ていた。
俺の同級生の何人かが、先生に頼まれた形で始まった。いろいろ恩義があった人やから、面倒と思いながらも、引き受けていた。

彼女は、俺と同じトランペットで、しかも二年生でファーストの座にいた。
ファーストとは、いわゆる中軸だ。センターを張り、時にはソロさえ与えられる大役を担っていて、時にはソロさえ受け持つ。彼女は、十分にその実力があった。
なのに、大会に出る際に、待ったがかかったのは、彼女の髪色のせいだった。

黒髪じゃない地色で、大人びた容姿だから、たしかに目を引く。その髪は中学生らしくないというのが大人の言い分だ。

そ向こうっ気の強いれに黙って引き下がるはずがなく、意義を申し立てた。
それに返ってきた言葉がそれだった。