お茶会 ページ12
.
私は大きなお皿を持ってきて
バターワッフルを並べ、
自家製のジャムやメープルシロップを
腕いっぱいに抱え、ドサッとレジカウンターに置いた。
キュリちゃんは楽しそうにニコニコ笑い、
ラパンさんはジャムの量に驚いている。
「わあ…こんなに沢山」
『あはは！ビックリですよね〜』
完熟した果物を甘く煮詰めてジャムにし、
ご近所さんにお裾分けしたり、常連さんに配ったり、
パンに使ったり、自宅で食べたりする。
張り切って、果物を片っ端からジャムにしていたら、
棚から溢れるほど沢山のジャムが
出来上がってしまったのだ。
『私だけじゃ消費できないから
二人に手伝ってもらってもいいですか？』
私が尋ねると、二人とも｢はーい｣と元気よく
手を挙げた。もうすっかり仲良しだ。
キュリちゃんは誰よりも先にバターワッフルを
手に取り、苺ジャムをたっぷり付けて食べた。
｢おいし〜｣
口いっぱいにワッフルを頬張りながら、
キュリちゃんは目をうっとりさせ、
その唇の端にベッタリと
ジャムを付けているもんだから笑ってしまう。
『お口の周りに付いてる』
ティッシュで拭き取ってあげたら、
｢メルちゃん、なんだかオンマみたい｣と
私を見上げながら笑うから、
ため息混じりに｢もう｣と呟いてココアを飲む。
でも、否定は出来なかった。
こうしていると私に旦那さんと娘が出来て、
幸せな休日を過ごしているような感覚がしたからだ。
こんなに家族を意識するのは、
友人が挙式するからだろうと思った。
〆
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 215人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あんず(プロフ) - なんか憧れるパン屋さんで、すごい行きたくなりました！、 (2018年6月2日 0時) (
レス) id: c19e297b48 (このIDを非表示/違反報告)
Eill Rie(プロフ) - 楽しく読ませていただきました。メルさんの小さなパン屋さん、実際にあったら行ってみたいものです^^ (2018年5月21日 12時) (レス) id: 3073d54efc (このIDを非表示/違反報告)
早苗 - 名刺とお店の絵凄く可愛いです！！こんなお店があったら毎日行きたいですw (2018年5月12日 13時) (レス) id: 9d45fbd028 (このIDを非表示/違反報告)
早苗 - とても面白い作品で大好きです。これからも応援してます！ (2018年5月7日 22時) (レス) id: 9d45fbd028 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時：2018年4月29日 21時
