夕染 ページ14
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街には淡く暖かい春の夕日が漂っている。
「メルちゃんはいつからあの店を？」
『二十一歳からです。もう三年も経っちゃいました』
「そんな前からあったんですね…
もっと早くから知りたかったな」
ため息をつくように言うジスさん。
『私だって、もっと早くから
ジスさんのこと知りたかったですよ』
街並みを見るフリをして、
目線を他所に向けたまま言った。
私達は、穏やかな風に身を預けるように、
ゆったりとした足取りで夕日に向かって歩いている。
「なんか照れますね」
ジスさんが穏やかに笑う。
「とてもいい店主さんに出会えたって
始めて来た日の帰りに思いました
今日も、凄く楽しかったです」
ジスさんは続けた。
「またお茶しに行ってもいいですか？」
そう言って私の目をじっと見る。
なんとなく照れくさくて目をそらしてしまったけれど
どれだけ考えても答えは一つしかない。
『もちろん』
私が言うとジスさんは嬉しそうに笑った。
胸の中で眠るキュリちゃんまで｢ん〜｣と
嬉しそうに笑うから、私も頬が緩む。
両足で進むスカートがふわりと浮かんだ。
〆
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あんず(プロフ) - なんか憧れるパン屋さんで、すごい行きたくなりました！、 (2018年6月2日 0時) (
レス) id: c19e297b48 (このIDを非表示/違反報告)
Eill Rie(プロフ) - 楽しく読ませていただきました。メルさんの小さなパン屋さん、実際にあったら行ってみたいものです^^ (2018年5月21日 12時) (レス) id: 3073d54efc (このIDを非表示/違反報告)
早苗 - 名刺とお店の絵凄く可愛いです！！こんなお店があったら毎日行きたいですw (2018年5月12日 13時) (レス) id: 9d45fbd028 (このIDを非表示/違反報告)
早苗 - とても面白い作品で大好きです。これからも応援してます！ (2018年5月7日 22時) (レス) id: 9d45fbd028 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2018年4月29日 21時
