Brother. (ページ11)

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《あの人が亡くなってから女手ひとつで育ててきて。まさか私まで病気になってしまうなんて。》

《ダメ元でお願いする。もし娘が1人になった時、その時は貴方が娘の成長を見守って欲しい。親戚にも頼れる人は居ないしあなたしかいないの。松村くん。》

「伊藤さんからそうお願いされた時はびっくりしたよ。」

「でもね、実は僕の妻も病気で他界しててね。なんか
放っておけなかったんだよ。」

『え。そうだったんですか、、、、』

「ほらっ」て写真立てに入ってる写真を見せてもらったら若い頃の松村さんとまだ小さい息子さん、そして笑顔が素敵な女性がそこには映っていた。

「僕の妻も素敵でしょ？」

泣きそうになりながら言う松村さんをみて涙が止まらなくなった

「そう。それでね。それからは伊藤さんのお見舞いも週に１回は行くようになって。Aちゃんの話ばっかだったなぁ笑」

『、、、。私もお見舞いに行ってたのにどうして会わなかったんでしょうか』

「それはね。《病院で知り合っちゃったら頼りに頼れなくなるでしょ？》」ってお母さんの気遣い。笑」