恋をしました【大橋和也】 (ページ34)

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文化祭2日目。1日目はステージ発表の後すぐに解散だった。

(昨日はすごかったなぁ…)

ライブに行った日の夜みたいに、舞台の景色が脳に焼き付いて離れなくてあまり眠れなかった。

凛葉「Aちゃ～ん！こっちこっち～！」

ぼーっとしていると、凛葉ちゃんと山さんを見失いそうになる。今日は一般の人も来てるから人が多くてすぐに迷子になりそうだ。

「やっと追いつけた、凛葉ちゃ、」

凛葉ちゃんの背中をぽんっと叩くと、凛葉ちゃんが振り向く。
しかし、

「……あっ！すみません！」

(人違いだ…！！)

凛葉ちゃんに似た後ろ姿をした、別の人だった。
その人は「いえいえ」と言って歩いて行った。

まずい、また迷子だ。高校生にもなってこんなに迷子になることある…？

とりあえず、教室のほうに行ってみよう。

ーーー
ーー
ー

教室の前に来てみると、私たちのジェットコースターは大繁盛だった。

当日のジェットコースターの管理や、お客さんの対応は、準備のシフトに入っていなかった人たちがしてくれている。

？「天野さん？」

教室を覗いていると、後ろから声がした。

「あっ！おっ、大橋くん！」

昨日の劇以来、初めての大橋くんだ。昨日の王子様姿の大橋くんがチラチラと頭をよぎる。

(顔が…見れない)

大橋「何してるん？こんなところで」

「あ、えと、凛葉ちゃんたちとはぐれて…」

迷子とか、めっちゃ恥ずかしいな…。醜態を晒してしまった…。

大橋「えっ！じゃあ一緒に探すよ！」

「えっ！？そんな、悪いよ！」

大橋「ええてええて！ちょうど俺も今係の仕事終わったばっかで1人やったんよ！」

大橋くんは優しい笑顔で言った。
どうしてこんなに優しいんだろう、大橋くんは。

「じゃあ…お願いします」

ぺこ、と会釈して並んで歩く。
2人で歩いてると大橋くんのファンに暗殺されないか心配になる。

やっぱり誤解されてしまいそう…。

そんな心配は他所に、大橋くんは「たこ焼き美味しそう～！」とはしゃいでいる。

少しの安心と、やはり何も意識されていないのかと残念になる。

と、その時

男子「おっ！そこのカップル！うちのお化け屋敷よってかない！？」

と声をかけられた。