恋をしました【大橋和也】 (ページ29)

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男子「たこ焼きどうですか～！」「お化け屋敷こちらで～す！」

文化祭1日目、学校は色とりどりの飾りが施され、生徒たちの声で賑わっている。

凛葉「Aちゃ～ん！次焼きそば食べよ～！！」

校内を眺めていると、前の方で凛葉ちゃんと山さんが呼んでいる。

「うんっ！」

1時間後の体育館でのステージ発表まであと1時間。今は3人で屋台を回っている。

山口「凛葉あんた食べすぎちゃう～？」

凛葉「ええんやええんよ今日はカロリーゼロの日！」

「それいつも言いよるやん！」

楽しいなぁ。2人ともすっかり打ち解けて、冗談も言い合える仲になった。
さっき買ったたこ焼きを頬張る凛葉ちゃんを見ながら、楽しさを実感する。

山口「ステージ発表って軽音部の演奏やっけ？」

凛葉「せやで！あとそうそう！4組は劇するんやって！」

話がステージ発表のことに変わった。色々出し物があるらしい。

凛葉「よっしゃ！それまでにいっぱい食べまくんで！」

ーーー
ーー
ー

一時間後、ステージ発表が始まる時間になった。席は自由で学年やクラスは関係なく座れるっぽい。

山口「1番前空いてんで！！行け行け！！」

山口さんが前の席の方に走って行った。
私と凛葉ちゃんがその後を追う。

凛葉「よっしゃ～！めっちゃラッキーやん！」

少し早めに来たからか、1番前の席を確保できた。

人がどんどん体育館に入ってきて、盛り上がっている。

(大橋くんは…いないなぁ……はっ！)

ふと、人混みの中に大橋くんを探している自分がいた。

？「あれ？天野さん！」

熱くなった顔を持ってきていた団扇で仰いでいると、隣から聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「あっ…！藤原先輩！」

藤原先輩が右隣に座っているところだった。少し背の低い金髪の友達と「あれ？丈お前彼女？」「ちげーよ」と話している。

藤原先輩が友達とふざけあってるの、新鮮だなあ。
いつも助けてもらってばかりだから、大人っぽいイメージがあったけど、ちゃんと学生なんだ。

凛葉「あれっ！丈やん！1番前ラッキーやなぁ！」

藤原先輩の声に気づいたのか、左隣に座っていた凛葉ちゃんが身を乗り出して話している。

山口「おっ、今日もナイスフォームしてますねぇ！」
藤原「誰がA.ジョーンズや！」

藤原先輩は野球のボールを打つ時の真似をしながら突っ込んだ。野球が好きなのかな？

『まもなく、ステージ発表が始まります』

そんなこんなでステージ発表が始まる時間になった。