恋をしました【大橋和也】 (ページ21)

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朝、教室のドアが開くたびに大橋くんじゃないかと、身構えてしまう。

昨日あったことは夢だったんじゃないのか…。
思い出しては胸がムズムズする。

大橋「天野さん！おはよ！」

「っ！！！！」

ボーッと考えているといつのまにか隣の席に大橋くんがいた。
大橋くんはいつもの調子で挨拶をした。

「あっおっおはよ！」

緊張して、肩に力が入る。まずは何を言うんだっけ。頭が真っ白になって、さっきまで考えていた言葉が出てこない。

「大橋くん！」大橋「天野さん！」

とにかく、昨日のことを謝ろうと思い、大橋くんの名前を呼ぶと、同時に大橋くんも私の名前を呼んだ。

「、あっえと先にどうぞ…っ」

と言うと、大橋くんは小さく「あっありがとう」と言って話始めた。

大橋「あっ…あのさ、昨日はありがとう…っあと最後、俺ちょっと変やったよな…？ごめん！」

「いや…！こちらこそ、大橋くんが気遣って言ってくれたのに上手く返せんでごめん！それとアロマありがとうっ…」

私がそう言うと、大橋くんはキョトンとした顔をした。

大橋「気遣い…？あっ違う違う！あれは全部本心で………あっ！」

「ほん…しん…」

大橋くんは耳まで赤くして慌てている。
あの言葉が本心…？

どうしよう

嬉しい。どっどっと心臓の音が早くなるのを感じる。

気まずくなってお互いに何もいえなくなった。

しかし、その静寂を破ったのは

凛葉「おっはよー！Aちゃん！…あれ？なんか良い匂いする…」

「おはよ！あ、昨日アロマ使って…」

…大橋くんにもらったアロマだ。

だめだ、どうやっても大橋くんを意識してしまう。
なんでだろう、こんな気持ち、今までになったことがない。

キーンカーンカーンコーン

凛葉「やばっ！席戻らんと！」

チャイムが鳴ると同時に、席を立っていた生徒が自分の席に戻り、ドアが開いて剛田先生が入ってきた。

ホームルームが始まったが、胸のムズムズは治らない。

大橋「天野さん、あれ使ってくれたんや」

隣から大橋くんが小声で話しかけてきた。あれ、とはアロマのことだろう。

「うんっめっちゃよかった…！大橋くんの匂いみたいで…」

……はっ！やばい今めちゃくちゃ変態みたいなこと言ってもうた！

と思った時には時すでに遅し。
めちゃくちゃ気まずそうな大橋くん。やってしまった。