恋をしました【大橋和也】 (ページ16)

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藤原「なにやってんねん」

藤原先輩は私の後ろから女生徒の手を止めたため、私からは顔が見えないけど、すごく怒っているのが声からわかった。

藤原「大丈夫か…？凛葉も」

凛葉「じょう…」

秋月さんは泣き出しそうな、安心したような顔で藤原先輩の名前をよんだ。

女生徒「藤原…先輩…」

女生徒はさっきまで赤かった顔を真っ青にした。

藤原「お前ら、次こんなことしてみろ、絶対許さんから。

俺も

大橋も。」

藤原先輩がそう言って女生徒の手を離すと、女生徒は走って逃げていった。

女生徒の姿が見えなくなると私は腰が抜けて座り込んだ。

藤原「あ、天野さん！大丈夫？」

凛葉「天野さん！！！ごめん、ごめんな！」

秋月さんは大きな涙を流しながら私を抱きしめた。

「私は大丈夫…！それより秋月さんは…？」

凛葉「私のことはいいの…！天野さんが私のせいで怪我でもしたら…！」

やっぱり、こんなに優しい子が大橋くんや騙すとか…女生徒が言ってたみたいなことある訳がない。

人にあんなこと言ったのは初めてだったけど、正しいことをしたと思えた。

「そんな…！あっ！藤原先輩…ありがとうございました…、！本当に…」

藤原「ええねんそんなん！それより歩ける？凛葉も、そんな泣かんと、大丈夫か？」

藤原先輩は眉を下げて、本気で私たちを心配しているようだ。
もし藤原先輩が来なかったら…。

凛葉「じょううううありがとうほんまにいいい怖かったああああ」

秋月さんは女生徒たちに囲まれていた時、物怖じしていない感じだったが、そんなことはなかったらしい。足が震えている。よほど怖かったのだろう。

藤原「俺があったから何とかなったけど…なんかあったらすぐ言えよ！？
大橋は今日用事あって早く帰ったし…ほんまにあいつ大事な時に…」

藤原先輩は大橋くんの文句をぶつぶつと言っている。

あれ？

「藤原先輩と大橋くんと秋月さんって、知り合いなんですか？」

凛葉「、あ！そやねん山口も！幼馴染やねん！」

秋月さんは涙で赤くなった目を擦りながら言った。

凛葉「でも良かったAちゃんが無事で…。」

「えっ、今、、名前で…」

凛葉「あっ！！あああっごめん勝手に…っ！」

「う、ううん！！…私も、凛葉ちゃんって呼んでいい？」

凛葉「もちろん！」

その後藤原先輩と別れ教室に戻ると私たちの様子に山口さんは驚いてすごく心配していた。

凛葉ちゃん達ともっと仲良くなれたらいいな。