恋をしました【大橋和也】 (ページ14)

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次の日、昨日のことが頭から離れず、授業に集中することはもちろんできなかった。
机をつけないでいて良かった。
もし今日も大橋くんの近距離にいたらさすがに心臓がもたない。

あれから大橋くんは特に変わった様子もなく、いつもの大橋くんだった。

わたしの意識のしすぎだろうか…。免疫がないから仕方ない。

大橋「…さん、天野さん！」

「……えっ、はい！？」

大橋「先生に当てられてんで！」

大橋くんは笑いながら言った。みんなも笑いながらこちらを見ている。

「あっ！すみません！」

ーーー
ーー
ー

凛葉「天野さ～ん！今日もがんばろな！」

「うん！」

今日の準備は秋月さんと山口さんと一緒のようだ。
大橋くんはいない。
ホッとしているの気持ちと残念な気持ちが半々だ。

山口「ほんまめんどいよな～文化祭の準備って」

山口さんはそんなことを言いながらも、ジャージの腕をまくり、髪を縛り、その場にいる誰よりもやる気のある格好をしていた。

凛葉「ツンデレやねんから山口は～！」

秋月さんは山口さんをつつきながらそう言った。

2人は転校してから毎日私に休み時間などに話しかけてくれる。すごく優しい人たちだ。

山口「ジェットコースターの乗るところは木で作んねんな」

私たちはテレビで見るような大掛かりなジェットコースターではなく、割とこじんまりした感じのジェットコースターを作ることになった。

しかし、周りを絵で飾ったりして迫力はどの展示にも負けないはずだ。

凛葉「あ！私先生に用事あったんや！ちょっと行ってくる！」

秋月さんはそう言って急いで教室を出ていった。

山口「じゃ、私たちは先に始めよか！」

「うん！」

ーーー
ーー
ー

山口「二郎さぼんな！さっさ動かんか！」

あれから30分ほど経ち、山口さんはテキパキと指示を出し、動いている。

私はと言うと…手持ち無沙汰な状態だ。

何か仕事は……

あれ？まだ秋月さんが帰ってきてないな…。

「山口さん、秋月さん何かあったのかな…？」

山口「確かに、ちょっと遅いな？」

「あ、私見てこようか？」

山口「まじ？？ありがと！」

山口さんはお礼を言い、すぐに作業に戻った。二郎くんが泣きながら山口さんの指示に従っている。

(どこにいるんだろう…)

教室を出て、職員室の方に向かっていると
中庭から

「あんた、まじうざいねん」と言う声が聞こえてきた。