恋をしました【大橋和也】 (ページ2)

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先生「おっ天野やな！担任の剛田や！よろしくな！」

学校に行き、職員室に挨拶に行くと、強面でジャージ姿の男の人がいた。私がこれから通うことになった2年3組の担任の先生らしい。

「あっよろしくお願いします！」

ああ、コミュ障特有の言葉の最初につく「あっ」が出てしまった…。

先生「じゃあそろそろ教室行こか！自己紹介のじゅんびはできてるか～？」

自己紹介…！昨日の夜からしっかりと予行練習している。「福岡から来ました、天野Aです。これからよろしくお願いします。」
シンプルでいい挨拶だ...！

「はっ、はい！」

大丈夫だ。緊張で足が震えるけど、大丈夫だ！
そんなことを考えている間に、教室の前に来てしまった。2年3組。これが私がこれから通うクラスだ。
中からはザワザワとした声が聞こえてくる。

先生「お～いうるさいぞ～今日はお待ちかねの転校生や！」

剛田先生の言葉に余計に盛り上がる教室。
私は先生の後ろをついていく。

先生「じゃあ天野、自己紹介よろしくな！」

「は、はい！」

その瞬間、クラスがシンとなった。全員が私の方に注目している。
ああ、何を言うんだっけ。
昨晩、2時間は練習した自己紹介を全て忘れてしまった。

「あ、あ、天野Aです、よ、よろしくお願いしましゅ！」

噛んだ…

一瞬の静寂の後、ドっと笑いが起こった。
「かわいい～！」
「ましゅ！笑笑」
そんな言葉が飛び交う。

ま、まあ万事休すだ。笑ってくれて良かった。

先生「ははは！じゃあ天野は1番後ろの空いとる席に座ってくれ！」

先生が指した席は窓際の1番後ろの席だった。
本当に少女漫画みたいだな。そう思いながらクラスのみんなに会釈をして席についた。

？「よろしくね！」

少しハスキーだけど、透き通るような声が隣から聞こえた。