48. ページ25
A視点
彼の後ろをあるいて着いた先は、
彼の部屋であった。
syp「あまり、周りに聞かれたくないので」
彼はそう言って部屋のドアをあけ、
私を招き入れた。
近くにあった椅子に腰かけ、
渡されたお茶を飲む。
syp「あの、まず…黙っててごめんなさい。
俺は、城下町でよくあっていたザクロです」
『…そうだったんだ』
syp「黙って本当にごめんなさい。」
『ううん。別に大丈夫だよ。
そしたら、私。ショッピ君に助けられてばかりだね』
心の底からそう思った。
城内だけでなく、まさか城下町でも助けられていたとは…。
本当に申し訳ない。
syp「それで、本題に入ります」
『はい。何？』
syp「明日の処刑の時、俺が執行人を”気絶”させるので逃げてください」
『…え？』
なんで？
なんで貴方が危険を犯す必要があるの？
私はもう、ﾀﾋぬ存在なのに。
『どうして？なんであなたが危険を犯すの』
syp「借りを返したいんです」
『私はあなたのためになにもできていない。
逆に私があなたに借りをつくってばっかり。なのに、なんで、なんで！』
syp「俺は」
『そんなことしなくていいよ！！貴方がそんなことする必要はない！
全て私の責任、私が…私が、”無能”だからｯ…』
彼に向かって叫んだ私を
彼は怒ることも泣くこともなく、
私を抱きしめた。
『え？』
syp「俺は、貴方に生きてほしい。
俺があの時、もっと早く気づいて、よけていれば、Aさんがこうなることはなかった。
無能になってしまうことはなかった！自分を責めることなんてなかった！！」
『ちょ、ショッピく…』
syp「俺は、俺は、貴方の人生を…無茶苦茶にしてしまった。」
そこまで考えて、
重く受け止めているとは思わなかった。
そこまで責任を感じているとは思わなかった。
そこまで…
私の事を大切にしてくれていたなんて思っていなかった。
syp「そんな俺が唯一、Aさんにお礼が出来るチャンスなんです。
俺はAさんが生きて、幸せになっていてほしい。
もっと、自分がやりたかったことをやってほしい。」
『…ショッピ君…』
syp「俺は、貴方に生きてほしい。
俺の人生がどうなったって構わない。貴方の人生をダメにしてしまった分、力になりたい。
だから、だから…」
『…』
syp「Aさんはここで死なないでください。もっと、もっと生きてください
まだ、愛しきれてないんでしょ？恩を返しきれて…ないんでしょ？」
彼は不安そうに私の顔を見た。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 605人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いちごもち(プロフ) - hasuki-さん» ありがとうございます！！そう言っていただきとても嬉しいです！こちらも励みになります！コメントありがとうございます。これからも頑張りますね。良ければ、今後ともこの作品をよろしくお願いします！ (2020年4月14日 12時) (
レス) id: 974c74a7f8 (このIDを非表示/違反報告)
hasuki- - え,好みにドストライクです!!!!こうゆう無能系?を探していたんですけど神作品に神作者様に出会ってしまった...もう凄く読みやすいし,もうマジで神様ですね!!これからも頑張ってください!! (2020年4月14日 12時) (レス) id: e55a71c11d (このIDを非表示/違反報告)
いちごもち(プロフ) - あうあさん» この作品を読んで下さりありがとうございます！！そう言っていただき、こちらも嬉しいです！！これからも更新頑張りますね！これからも、良ければこの作品をよろしくお願いします！コメントありがとうございます。 (2020年4月14日 12時) (レス) id: 974c74a7f8 (このIDを非表示/違反報告)
あうあ - ランキングに乗っていたので一気読みしました。めっちゃ自分好みですこすこのすこです。あと更新スピードが早すぎてびっくりしちゃいました(笑)三日で続編ってすごいですね。これからも更新頑張ってください！ (2020年4月14日 11時) (レス) id: 8787b22be6 (このIDを非表示/違反報告)
いちごもち(プロフ) - なななさん» 寝てます、バッチリ睡眠とれております(笑)お気遣いありがとうございます！ (2020年4月14日 8時) (レス) id: 974c74a7f8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
