【ｄ！】サヨナラを告げるだけ (ページ3)

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一刻ページ3

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昔、誰かが言った

「余命を宣告された時、何故か他人事の様に思えてしまう」と

その言葉を聞いた時は、本当にそうなのかと疑い混じりだったが

たった今、確信した

「Aさん、貴方の病気は進行しています。このまま放っておいたら持ってあと二年…いや、一年ほどになりますよ。」

眼鏡をかけた顔馴染みの医者に言われた言葉は、他人から見ればとてもとても重いものだろう。

だが今の私には、他人事にしか聞こえなかった。

『……そうか…』

「はい…ですが今から治療すれば、もう少し長く生きられるかもしれませんよ。」

『……分かった、考えておく…… 』

「考えておくじゃダメなんです！今からじゃないと……」

『貴方の気遣いは有難い…だが私は軍人だ、死ぬ時は軍人としての責務を全うして死ぬと決めていたんだ、だから……考えさせてくれ……』

「…っ…はい……分かりました。」

医者は苦虫を噛み潰したような顔で俯いた

「……では、一ヶ月後の定期検診に答えを聞かせてください。」

『あぁ約束するよ、それでは』

椅子から立ち上がり、診察室の扉を開け、廊下に出る。

そして会計を終わらせ、処方箋を受け取り病院の近くの薬局へと足を運ぶ

……意外と冷静になれるものだな

私の頭の中では、私が死んだ後の仕事の引き継ぎはどうするか、部下へなんと言えばいいか、

幹部達へ、病気の事を報告するべきかを考えていた。

『…とりあえず、グルッぺンには報告しておこう』

グルッぺンは私の病気の事を知ってるから、教えとこう

そんな事を考えていたら、薬局に着いた

重い気持ちを抱え、薬局へと足を踏み入れた

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