37 ページ37
練習試合が始まり、まず音駒高校に挨拶に行った。
Aの姿が見えると、2.3年生の部員は目を輝かせ、久しぶり!!とAの元に集まった。
「まさか春高までに会えるなんてな〜!!5日間よろしくな!」
夜久さんはバシバシとAの背中を叩いた。相変わらずとても痛かったが、扱いが全然変わっていなくて、懐かしさを覚えた。
「………A、ゲームしようね」
「ええ、研磨また合宿にゲーム持ってきたん?!」
そういうと、Aと対戦できるかなと思って…と悲しそうに言うので、ま、毎晩はあかんで!とつい許してしまった。
「Aがマネージャーやってくれて、こいつらの士気も上がるし、助かるわ。ありがとな」
黒尾はそういうと、あの頃と変わらない大きな手をAの頭にポンと乗せた。
「あ!もしかして、音駒の伝説のマネージャーの人?!」
「で、伝説のマネージャー…?!」
なんやその恥ずかしい呼び名は、と困惑していると、「1年だけいたマネージャーだから今年入ってきた1年にそう呼ばれてんだよ」と山本が耳打ちした。
その呼び名はやめてほしい、と思ったが、1年がキラキラとした目で見つめてくるので、何も言うまい、と挨拶を済ませた。
その後音駒と稲荷崎を行き来してマネージャー業務を努めていたが、思っていた以上に大変だった。それに加えて侑の機嫌も悪いままで、合宿初日早々気が遠くなった。
スポドリを水道で作っていると、横から顔に水をかけられる。
パッと顔をあげると、梟谷副主将の赤葦が立っていた。
「…久しぶり」
「赤葦!!」
音駒とは4ヶ月ぶりだったが、梟谷とは去年の合宿ぶりだったので、ほぼ1年越しの再会だった。
「ていうか2年で副主将ってすごいな!木兎さんは元気?」
「元気すぎて困ってるよ」
相変わらずみたいやなぁ、と会話していると、後ろから、おい、と声をかけられた。
「こんなとこで油売ってんな、早よ仕事せえ」
「あ、侑…。ごめん」
字面で見るといつもの会話となんら変わりなかったが、今回の侑の言い方は、普段にはない刺々しさがあった。
普段であれば「ちゃんとやっとるわ!」と返せるが、今に至ってはそう返せなかった。
侑は顔を濯ぎにきたようで、水を顔にかけたあと、すぐに体育館へ戻っていった。
「……稲荷崎の宮侑だよね?なんであんなに機嫌悪いの」
赤葦がAに問いかけるが、わからんねん…と俯いた。
787人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちび(プロフ) - ひなこさん» コメントありがとうございます!その通りです!お恥ずかしい…ご指摘ありがとうございました! (2020年7月5日 14時) (レス) id: c0c643d2d0 (このIDを非表示/違反報告)
ひなこ - 12ページの角名くんのセリフ火のないところに煙は立たないが正しい言葉だと思いますよ、 (2020年7月1日 20時) (レス) id: 70a16b712e (このIDを非表示/違反報告)
ちび(プロフ) - リョンリョンさん» コメントありがとうございます!!もっときゅんきゅんできるように、更新頑張ります(*^^*)暖かいお言葉励みになります! (2020年6月6日 23時) (レス) id: c0c643d2d0 (このIDを非表示/違反報告)
ちび(プロフ) - さむつむさん» コメントありがとうございます!クロは私的に女性に優しいイメージなので、そこを意識して書いてます笑 更新頑張ります!! (2020年6月6日 23時) (レス) id: c0c643d2d0 (このIDを非表示/違反報告)
リョンリョン(プロフ) - 初コメ失礼します!夢主が宮兄弟にまた会えるようにと思ってバレー続けてるとか普段強気なのにとても健気でかわいいです笑稲荷崎の宮兄弟と北さん推しなのでめっちゃ見ててキュンキュンします!!更新大変だと思いますが頑張ってください! (2020年6月6日 13時) (レス) id: 21731a0686 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちび | 作成日時:2020年6月4日 19時